竹久夢二と歌舞伎の深い絆を探る、夢二郷土美術館創立60周年展


大正ロマンと歌舞伎が共鳴する、創立60周年記念展
岡山県岡山市の夢二郷土美術館本館では、2026年3月27日から創立60周年企画展「夢二と歌舞伎」を開催する。近年、映画などを通じて歌舞伎が世界的に再評価され、若年層にも広く認識されるようになっている。本展は大正ロマンを代表する総合芸術家・竹久夢二と歌舞伎との深い関係に焦点を当てた展覧会だ。
幼少期から培われた夢二の歌舞伎美学
夢二は岡山で過ごした幼少期に芝居に親しみ、義理人情を軸とする物語や、役者の表情・所作・衣装・化粧といった舞台芸術特有の美に強く魅了された。歌舞伎の演目や登場人物を主題とする数多くの作品には、舞台上の一瞬の感情や余韻が見事に盛り込まれている。また、浮世絵の役者絵を丹念に研究し、過去の表現を踏まえながら独自の造形へと発展させていった点が注目される。
現代舞台芸術に息づく夢二の美意識
現代の歌舞伎界では、古典の継承にとどまらず、異なる芸術領域との対話を通じた新たな舞台表現が模索されている。そのなかで、夢二の描いた抒情的な世界観が舞台芸術へ、現代的な感性によって再構築される試みも行われている。本展では、歌舞伎に触発されて制作を行った夢二の作品と、時代を経て現代の舞台芸術にも影響を与え続ける夢二の美意識という、双方向の関係を丁寧に辿る。絵画と舞台、近代と現代が共鳴する場で、芸術の繋がりを見つめ直す機会となるだろう。
見どころ:《一力》を始めとする107点の作品が集結
本展には計107点の作品が出品予定となっている。なかでも、歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』の一幕「一力茶屋」をモチーフとした《一力》(1915年、絹本着色、168.9×349.8cm)は、夢二式デザインのきものを纏った女性たちが、S字の構図で華やかに描かれた屏風作品である。現存する夢二の作品の中で最大級のこの作品は、1915年3月に富山市で「渦巻亭」にて制作されたものだ。また、初公開作品として、1931年から1932年にかけて夢二がアメリカとヨーロッパに外遊した際に描いたスケッチ《琴を弾く女性》と《三味線を持つ女》も展示される。
会期中の充実したイベントと特別プログラム
会期は2026年3月27日から6月21日までとなっている。期間中は学芸員によるギャラリートーク(4月18日、5月10日)、京都大学人文科学研究所の金智慧氏を講師に迎えた文化講座(4月4日)、坂東玉三郎による映像「夢二慕情」の特別上映会(5月3日)など、多彩なイベントが用意されている。和装で来館した方全員にはオリジナル夢二絵はがきをプレゼントする。入館料は大人800円、中高大学生400円、小学生300円だ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000570.000052428.html