AI映画祭が京都で閉幕、生身の表現の価値を問う熱い議論が展開


WORLD AI FILM FESTIVAL 2026 in KYOTOが閉幕
3月13日(金)、WORLD AI FILM FESTIVAL 2026 in KYOTOが無事閉幕した。会期中の総来場者数は1217名を記録し、熱狂の2日間となった。俳優、声優、プロデューサー、そして社会学者らが登壇し、著作権や雇用の問題から、表現の本質に至るまで、AIがもたらす変革について熱い議論を交わされた。
SSFF&ASIAとのパートナーフェスティバル連携を発表
WAIFF JAPAN実行委員は会期中に、アジア最大級の国際短編映画祭であるショートショート フィルムフェスティバル & アジア(Short Shorts Film Festival & Asia / SSFF & ASIA、創設者/代表 別所哲也)とのパートナーフェスティバル連携を発表した。主要受賞作品は、クリエイタープラットフォーム「LIFE LOG BOX(LLB)」を通じSSFF & ASIAの公式招待作品として上映される予定である。
AI時代における声優の「生身の熱量」と役割
セッション「AI×俳優・声優:デジタルツイン時代に問われる『生身の熱量』」では、声優の伊瀬茉莉也氏がAIの台頭に対する不安と期待を語った。「今後、声優という職業がどうなっていくのか、正直不安な部分もあります。けれども過渡期の中で、生身の人間の持つ熱量だったり、エネルギーみたいなものは伝わるものがある」と述べた。グランプリ「Japan Best AI Film」を獲得した平田茉莉花さんのアニメ『This is me』は、映像は生成AIで、セリフは人間の声優が担当した作品であり、伊瀬氏は「AIの映像と生身の人間の声の掛け算というか、融合した作品が増えればいいなと思っていたので、こういった作品は素晴らしい」と称賛した。
ブロックチェーン技術で声優の権利を保護
別所哲也氏はAIボイスの進化に伴い、声優の「声の権利」を守ることの重要性を指摘し、「VOICENCE」という新たな取り組みを紹介した。これはブロックチェーン技術(DID/VC)を用いて、音声データが本人の公認によって使用されたものかを証明する仕組みであり、無許可のAI音声の無断使用を防ぐとともに、肖像権の保持者に適切なライセンス料の支払いを還元することができるという。
著作権問題と雇用問題に揺れるAI時代
セッション「AI×模擬裁判:著作権、雇用、そして教育の空洞化」では、各国のAIに対するスタンスの違いが明らかになった。アメリカではAIを使うことを禁止はしないが「加点にはなりませんよ」というスタンスである。一方、日本ではAIが作ったものに人間が加工や編集をしてできたものには著作権を認めるが、AIだけで作られたものに対しては明示的な判断がなされていない状況だという。
クリエイティビティは「商品」と「作品」に分化する
スタジオジブリの髙橋プロデューサーは、今後のアニメーションは「商品」と「作品」に分かれていくと予測した。マーケティング主導で作られる「商品」としての映像作りはAIが得意とする領域だが、表現したいという純粋な気持ちや作家性から生まれる「作品」は、人間にしか作れないと述べた。新人教育の場が閉ざされることへの危惧も示され、単純作業がAIで代替されることで、クリエイティビティな仕事へとステップアップしていく道が失われるのではないかという懸念が示された。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000120274.html