1200年の由来を持つ證大寺の納骨堂がデザイン賞受賞、祈りの空間を再定義


iF DESIGN AWARD 2026受賞、伝統と革新が融合した納骨堂
宗教法人 證大寺(真宗大谷派 本山 京都 東本願寺)の納骨堂が、世界的デザイン賞「iF DESIGN AWARD 2026」を受賞した。1200周年を記念して建築家 岡部修三氏(upsetters architects 主宰)に依頼された本プロジェクトは、従来の納骨堂とは異なり、故人との関係性を静かに見つめ直す「祈りの空間」として再構築されている。閉架式の納骨堂における礼拝スペースと遺骨の関係を再定義した、故人と対話をするための空間が高く評価された。
祈りの空間に込められた設計コンセプト
iFの評価コメントでは、「既存の棚式構造を保存しつつ、故人と生者の絆を再定義する祈りの空間を追加。境界には透明性と奥行きを両立させた、手作りの特注ガラスが礼拝の対象として据えられ、扇形のレイアウトが視線を優しく導く」と紹介されている。空間の中心に置かれた特注ガラスは、光を内包しながら柔らかく拡散させ、祈りの象徴として存在する。段階的に変化する照明は、訪れた人の心の速度に寄り添い、静かな内省へと導く仕組みだ。
木部のディテールと最小限に設えられた調度品が静謐な雰囲気を創出し、派手な装飾ではなく木の温もりと余白があるからこそ、人の想いが立ち上がる空間となっている。證大寺は単なる遺骨の安置場所ではなく、故人を対話する場所、自分自身と向き合う場所、家族のつながりを再確認する場所として設計したと述べている。
同テーマで2度目の国際デザイン賞受賞
證大寺では「祈りの本質」を現代に翻訳する取り組みを継続している。2017年の手紙寺プロジェクト「Writing letters = Praying」はiF DESIGN AWARD コンセプト部門を受賞。同年には船橋 昭和浄苑に建立した「手紙処」がグッドデザイン賞 金賞受賞、2017 Faith & Form IFRAA Awards Religious Architecture賞(全米の建築家が選ぶ国際宗教建築賞)を受賞している。さらに2018年にはDFA Design for Asia Awards 2018年を受賞し、香港デザインセンターが主催するアジアの視点から優れたデザインを評価する国際的なアワードでも認められた。
今回の受賞は、手紙を書く行為を「祈り」と捉え直した思想と、納骨堂における「空間としての祈り」という、證大寺が一貫して取り組んできた「出遇い直し」をデザインすることが新たに評価されたかたちである。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000131876.html