なかま焼で地方創生。CGJが福岡県中間市に窯業拠点2026年新設


伝統工芸が衰退する日本、一方で世界のハンドクラフト市場は急成長
日本には国指定だけでも240種類の伝統工芸が存在する。これは世界でも稀な「文化の多様性の宝庫」であり、日本の技術と美意識が高く評価されてきた理由である。しかし現在、生産量は最盛期(1983年)のわずか2割、生産額は5,410億円から1,000億円まで減少しており、つくり手が消え、地域の誇りも土地の文化も失われている状況にある。
その一方で、ハンドクラフト市場は2022年から2028年にかけて100兆円から172兆円(+9.1%成長)と急拡大が予測されている。日本では衰退をたどる伝統工芸だが、視点や商流を変えれば成長が可能な分野であり、世界規模では日本の文化が今後一層求められるのではないかと考えられている。
事業拡大に伴い自社窯業拠点を九州北部に新設
株式会社Culture Generation Japan(CGJ)は、伝統工芸をはじめとした器のサブスクリプションサービス「CRAFTAL」や、株式会社コメ兵ホールディングスと協業する循環型サービス「旅皿」など、日本の伝統産業や職人技術を生かした事業をプロデュースしている。今後の伝統工芸市場の展開を背景に、更なる事業拡大を見据え、器類の製造から検査、出荷までを担う自社窯業拠点を2026年4月、福岡県中間市に新設する。
拠点は「HUB LAB-NAKAMA(ハブラボ ナカマ)」と名付けられ、福岡県中間市大字垣生字仁八田1304-5の株式会社フロム工業内に設置される。面積は130平米である。窯業のない九州北部を対象としたのは、海外へのアクセスの良さ、歴史的背景や資材、人材、原材料の入手の容易さを前提条件としていたためである。
弥生時代から続く「土」の記憶が息づく中間市
中間市は肥沃な遠賀平野に位置し、古代より稲作の適地として栄えてきた。弥生時代には、日本の農耕文化の指標となった「遠賀川式土器」が生まれ、その文化が全国へ伝播した。いわば、中間市は日本におけるものづくりと流通の原点の一つである。その後も明治から昭和にかけては、炭鉱を支える瓦やレンガへと姿を変え、日本の近代化を支えるなど、常に「土」を資源として産業を興してきた。
しかし現在、かつてのようにまちを牽引する独自の基幹産業は失われ、人口は2026年2月末時点で3万8,524人に減少、高齢化率は2024年9月時点で38.2%に達し、全国平均を大きく上回るペースで高齢化が進行している。生産年齢人口(15~64歳)も、1985年のピーク時の約3万4千人から現在約2万2千人にまで減少し、大きな人口減少と若者の流出という課題に直面している。
令和の時代に「土」の記憶を呼び覚ます新産業「なかま焼」
中間市には焼き物を焼く窯が3施設に設置され、市民が日常で作陶を行う風土が残っている。また、かつて海域であった中間市は粘土質な土が採れることが特長であり、焼き物を創る場所として土地の性質的にも適している。これらを背景に、弥生時代から続く「土」の記憶を呼び覚まし、途絶えてしまった弥生式土器の思想と現代の感性を用いて再構築した「令和式土器」である「なかま焼」という新たな文化と産業の創出を目指す。
新しい文化と産業は、まちに住む市民が共に創ってこそ育まれていくという考えから、中間市の協力を得て、11の市民団体で構成されるなかま焼プロジェクト実行委員会と協働し推進される。参加団体は希望が丘高等学校、なカッパ会、特定非営利活動法人中間市観光まちづくり協議会、中間市子どもサミット、中間市地域活性化協議会、中間商工会議所青年部、中間市老人クラブ連合会、中間ライオンズクラブ、一般社団法人ひびき青年会議所、福岡県立中間高等学校(有志)、婦人会である。
「なかま焼」のデザイン公募がスタート
新しい文化と産業を多くの人々と共に創っていくために、「なかま焼」のプロダクトデザイン公募が2026年3月31日から開始される。子どもから大人まで年齢性別居住地を問わず、誰もが参加できる公募であり、申込締切は2026年5月15日(金)23:59である。審査を通じて選ばれたデザインは「なかま焼」初の焼き物となり、中間市の新しい象徴として発信・流通される予定だ。審査結果公示は2026年6月初旬、商品発表は2026年8月の予定である。公募の詳細はhttp://nakamayaki.com/で確認できる。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000045902.html