高校生が嫌いな科目1位は数学・英語|約4割が「授業についていけない」


高校生が最も嫌いな科目は「数学I~III」と「英語コミュニケーション」
株式会社DeltaXが運営する塾選びサービス『塾選』は、全国の高校生104名を対象に「高校生が嫌いな科目ランキング」について調査を実施した。調査の結果、嫌いな科目の1位は同率で「数学I~III」(18.3%)と「英語コミュニケーション」(18.3%)となった。高校に進学すると学習内容が一段と難しくなり、特定の科目に苦手意識を持つ生徒が多いなか、数学と英語は高校生にとって「2大ハードル」となっているようである。
続いて「化学」(12.5%)、「英語論理・表現」(10.6%)、「言語文化」(9.6%)が上位を占めた。この結果から、理解に時間や積み重ねが必要な科目が「嫌い」になりやすい傾向が見られる。興味深いことに、嫌いな科目の1位となった「数学I~III」と「英語コミュニケーション」は、「好きな科目」においても同様に上位にランクインしており、これらの科目は好き嫌いが非常にはっきりと分かれる「二極化しやすい科目」であることがわかった。
英語は「英作文」が最も嫌われ、数学は「2次関数」がつまずきの壁に
1位の「英語コミュニケーション」と「英語論理・表現」について、特に嫌いな単元を聞いたところ、文法ではなく「英作文(ライティング)」(10.5%)がトップであった。次いで「単語・熟語」「スピーキング・議論」(各8.8%)という結果になった。単語や文法の暗記が必須であることに加え、授業での発表で周囲と比べて恥ずかしい思いをした経験が、苦手意識や「嫌い」に直結しているケースがあるようである。
一方、「数学I~III」を嫌いと回答した生徒に「特に嫌いな単元」を聞いたところ、「数学I 2次関数」(8.8%)が最も多く選ばれ、次いで「数学II 三角関数・指数関数・対数関数」(7.0%)が選ばれた。数学は数式や計算が複雑化する単元で一気に難易度が上がり、一度つまずくとリカバリーが難しい点が、数学に対する嫌悪感を生む大きな要因となっているといえるだろう。
科目を嫌いになった理由1位は「授業についていけなくなった」
科目を嫌いになった理由について聞いたところ、「授業の内容についていけなくなった」(39.4%)が1位となった。次に「テストの点数が悪かった」(30.8%)、「先生の教え方がわかりにくかった」(27.9%)といった学習面での明確なつまずきや指導方法への不満が上位を占めている。科目を嫌いになるきっかけの多くは、授業についていけなくなった経験やテスト結果などの「失敗体験」にあることがうかがえる。
さらに、授業中のプレッシャーや恥をかいた経験が科目嫌いにつながったという声も寄せられた。「教師から『この問題がわからないのはこの教室で○○だけだよ』と言われた」「授業中に先生が急に私の名前を呼んで、答えられなくてみんなに笑われた」といった経験から、心理的な要因も科目への意識に大きく影響していることがわかった。また、「1年生の数Aの授業から内容が1つわからなくなり、そのあともドミノ倒しのようにわからなくなっていった」という声からは、一度のつまずきが命取りになる「ドミノ倒し現象」の存在が浮かび上がった。
好きになったきっかけは「テストで良い点が取れたこと」
一方、「科目を好きになったきっかけ」について聞いたところ、2人に1人が「テストで良い点を取れた」と回答した。嫌いになるきっかけが「失敗体験」であるのに対し、好きになるきっかけは、テストで良い点を取れたことや問題が解けたときの達成感といった「成功体験」が大きく影響しているこことがうかがえる。続いて「問題が解けて楽しいと感じた」(36.5%)、「授業内容が楽しい」(35.6%)といった結果が並んだ。
アンケートのフリーコメントから、テストの点数だけでなく、趣味とのつながりや「悔しさ」をバネに好きになったというエピソードも多数寄せられた。「ゲームや動画を見るときに英語の知識が必要となる場面があり、それで興味を持って学習をしたら好きになった」「3年秋に手付かずだった物理を全振りでやったら解けるようになって楽しかった」といった声から、学習の場外での経験が科目への興味を喚起する可能性が示唆された。
嫌いな科目でも4割が「成績は普通以上」と回答
興味深いことに、今回の調査では必ずしも成績と感情が一致しないという実態が見えてきた。嫌いな科目の「成績」について自己評価を聞いたところ、「あまりよくない」(32.7%)、「よくない」(25.0%)という成績が振るわないとする回答が合計57.7%で過半数を占めた。しかし、嫌いな科目でも成績が「普通以上」と回答している高校生が42.3%にのぼり、「嫌いな科目であっても、なんとか普通以上の成績をキープできている」生徒が4割以上も存在することがわかった。
一方、好きな科目の「成績」については、「よい」(36.5%)、「まあまあよい」(34.6%)を合わせて71.1%の高校生が「成績が良い」と回答している。好きな科目は成績面のポジティブな自己認識とも強く結びつきやすい傾向があり、「好きこそ物の上手なれ」という言葉の通り、好きな科目に対しては学習意欲が高まり、得意科目になりやすい傾向が見て取れる。
先生の教え方や授業中の心理的配慮が科目への意識に大きく影響
最後に、「嫌い・苦手な科目について、もし〇〇だったら『嫌い・苦手』にならなかったかもと思うこと」をフリーコメントで聞いてみたところ、「先生が面白かったらもっと頑張れた」「先生との相性がもっと良かったら成績が良かったと感じる」といった回答が寄せられた。さらに学校のフォロー体制や「塾通い前提」の授業ペースに対する本音も漏れており、学習内容の難易度だけでなく、「先生の教え方」「先生との相性」、そして「授業中の心理的な配慮」や「自学自習へのサポート体制」が、子どもの科目への意識に大きな影響を与えている事実が浮かび上がった。
まとめ:環境や体験が子どもの科目適性を左右する
今回の調査から、高校生が科目を嫌いになるきっかけの多くは、「授業についていけなくなった」といった学習上のつまずきであることが明らかになった。加えて、先生の言葉や授業中のプレッシャーといった心理的な要因も影響し、苦手意識が強まっていく様子がうかがえる。一方で、テストで良い点が取れたなどの成功体験が、科目への前向きな気持ちにつながるケースも見られた。つまり、好き嫌いは生まれつきではなく、日々の学習体験の積み重ねによって形成されるものといえる。子どもが特定の科目に苦手意識を持っている場合、頭ごなしに「勉強しなさい」と言うのではなく、まずは「どこでつまずいているのか」「授業で何か嫌な思いをしていないか」に耳を傾けてみることが大切である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000116808.html