京友禅の伝統文様をデジタル映像アートに、カンヌで世界発信


町工場から世界へ、京友禅の文様を3D映像化
京都市左京区の伊地智写真型製作所は、90年以上蓄積した京友禅の伝統意匠のアーカイブをもとにデジタル映像作品を制作し、2026年6月26日から7月1日の期間、フランス・カンヌの文化施設「Cannes Bastide Rouge」で発表予定である。この取り組みは、3代目の伊地智康寛さんが主導する「KYOTO KENRAN―京都絢爛」プロジェクトの一環で、渡航費・制作費の一部をクラウドファンディングで募っている。
繊細な意匠が織りなす没入型アート体験
制作される作品は、繊細な京友禽の文様を3D映像として再構築したもので、光や音とともに空間全体に展開する没入型作品である。文様はゆっくりと動き、重なり、日本の四季の移ろいや祈りの象徴を感じさせる世界が広がる。来場者は空間の中に立ち、歩きながら文様の中に入り込むような体験ができる仕組みになっている。京友禽の文様は緻密で象徴性に富み、物語性を持っていることから、その美しさを空間的に表現する手段としてデジタル映像が選択された。
和の伝統産業を現代的に表現する文化的挑戦
和の伝統産業は国内需要の縮小や後継者不足など多くの課題に直面しており、数多くの意匠が時代の変化とともに使われる機会が減っている。本プロジェクトは、長く受け継がれてきた美しい京友禽の文様を現代的な表現へと昇華して発信するもので、ゲームや商業施設とのコラボレーションにも取り組んでいる。今回の展示は作品販売を目的とした商業イベントではなく、日本文化の新しい表現を紹介する文化発信プログラムとして参加する。
クラウドファンディングで資金を募集
実施期間は2026年4月1日00時から2026年6月29日23時59分まで、目標金額は200万円である。映像制作費、会場での技術費、渡航費・滞在費などが必要だが、本展示は収益回収を前提としておらず、日本文化の価値を世界へ届けるための文化的挑戦である。目標額に達しない場合でも、自己資金を含めてカンヌでの展示は実行予定だ。本展示での作品評価や現地での反響によっては、今秋フランス・ニースで開催される大規模デジタルアートイベントへの出展へとつながる可能性もあり、国際的な発信への重要な第一歩となる。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000207.000108310.html