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短歌と版画の融合「トワイライト」吟行会、穂村弘ら歌人が作品を詠む

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論文・評論
報道発表
プレスリリースより

短歌と版画の共通点に着目した新しい鑑賞体験

三菱一号館美術館で開催中の「トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで」展において、歌人の穂村弘さんをホスト役として、岡野大嗣さん、岡本真帆さん、小原奈実さんをお迎えした吟行会が実施されました。展覧会と短歌を組み合わせた新しい鑑賞方法として企画されたこの催しは、風景版画と短歌の共通点を引き出し、展示をより深く楽しむきっかけを提供しています。

本企画を特集した「新しい私 書店」通信(7号)のリーフレットは、丸善丸の内本店、TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI、紀伊國屋書店大手町ビル店、銀座蔦屋書店、紀伊國屋書店新宿本店、くまざわ書店浅草店、東京堂書店神田神保町店と丸の内エリアのラック等で4月下旬より順次配布予定です。

吟行会とは展覧会鑑賞と短歌創作を融合させた試み

吟行会は、戸外に出かけて景色を元に作品を作り、参加者で歌を披露・講評し合う形式です。今回、四名の歌人が「トワイライト、新版画」展を鑑賞し、各自一首ずつ歌を詠むという試みを通じて、展覧会の新しい楽しみ方を提案しています。鑑賞中の感動を短歌という形で表現することで、展示そのものが鑑賞者の体験と混ざり合い、より深く作品に馴染んでいく体験を実現させています。

出展歌人から寄せられた展覧会への感想

穂村弘さんは、小林清親の「光線画」について「描写の精密さとそこに込められた感情の濃度に惹かれた」とし、時代の移り変わりを画面に写しとった版画の、写真とはまた違ったリアルさに強い印象を受けたと述べています。岡野大嗣さんは、光と闇が一枚の紙の上でせめぎ合う作品の表現力に注目し、版画が一回きりの光を繰り返し現在に呼び戻す反復のなかでこそ、一瞬のひりつきが深まるのだと考察しました。

岡本真帆さんは、感じたことを短歌にして評し合うことで、展示そのものが自分の体験と混ざり合い、より深く馴染んでいくような感覚を得たと述べ、小林清親の《御廐橋之図》に描かれた稲妻の力強さと、それを縁取る桃色のグラデーションの静かな美しさに惹かれたと語っています。小原奈実さんは、浮世絵の衰退期に「光線画」というジャンルが生み出されたことに着目し、版画だから色数も限られるはずなのに、どれも情感に満ちていて魅力的だったと指摘しました。

展覧会の詳細情報と吟行会の公開

本企画を収録した内容は、2026年4月27日(月)に三菱一号館美術館のWEBサイトで公開予定です。「トワイライト、新版画」展は2026年2月19日(木)から5月24日(日)まで開催され、穂村弘さんセレクト、「黄昏時」を詠んだ歌のしおりも配布中です。最後の浮世絵師のひとりと呼ばれる小林清親が描いた「光線画」から、吉田博・川瀬巴水らに至る風景版画の流れを、国立アジア美術館のミュラー・コレクションによって辿ることができます。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000133.000030575.html