せきしろの自由律俳句 第111回「家」結果発表


結果発表
第111回 課題: 家
せきしろの一句
引っ越す人が数年分捨てている
最優秀賞
この駅が最寄りだとしたら人生
( 神奈川県 荒川諒和 23歳)
「もしもこの町に自分が住んだとしたら?」とよく考えるものだ。ここのコンビニに行って、あそこのドラッグストアに行って……などと考えるだけであっという間に時間は過ぎていく。選択しなかった方に思いを馳せる句である。
優秀賞
旅先の窓にずっとある生活
( 千葉県 ような恵 28歳)
車窓を流れ行く景色を見ながら、この町には家の数だけ生活があり、そこには良い人も悪い人もいるんだろうなと考える。空き家があれば、そこで誰かが暮らしていた頃を想像することもある。どこか郷愁を感じさせてくれる句だ。
消えた蜘蛛と眠る
( 東京都 佐藤大粒 24歳)
家の中に小さな蜘蛛がいる。見つければそっと捕まえて外へと逃すのだが、見失ってしまうこともある。そうなるとたしかに蜘蛛と私は同じ屋根の下で寝ることになる。そんな気づきを与えてくれた句だ。
イラスト:飯田研人/撮影:賀地マコト