映画『チルド』のスピンオフ小説、KADOKAWAから2026年7月発売


ベルリン国際映画祭受賞作のもう一つの物語
NOTHING NEWが手がけた岩崎裕介監督長編『チルド』は第76回ベルリン国際映画祭フォーラム部門で、日本作品として唯一、国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞を受賞した作品である。その後も台湾や韓国など続々と入選が決まっている。このたび、映画『チルド』の世界観と地続きで描かれるスピンオフ小説が、KADOKAWAにて書籍化されることが決定した。
都築の視点で描くコンビニの「外側」
小説『チルド』は映画の主人公・堺と出会う女性・都築の視点で描かれるスピンオフ作品である。映画で描かれているのはコンビニという閉ざされた空間で進行する「内側の狂気」だが、小説版は原案・岩崎裕介監督の世界を受け取りながら、著者・伊西殻がコンビニの「外側」で静かに壊れていく世界を描き出す。生きていることと死んでいることの境界が薄れ、日常の中に説明のつかない違和感が積み重なっていく物語として展開される。
あらすじと作品の魅力
時間が過ぎるのを待つように日々をやり過ごす都築は、ある日バイト先の店でおかしな姿の客がいることに気付く。彼女には客の全身が本のシュリンクのようにパックされて見える。それ以降、都築はそんな姿の人間を時折見かけるようになった。様々な人間との交流や街で見かける光景で、都築は「あのパッケージされた姿はなにかの予兆だ」と確信していく。虚無の日々の中、パッケージ人間を見かけることに少し楽しみを覚える都築だが、徐々に自身も「そっち側」になりつつあることに気づかないまま物語は進んでいく。映画と小説それぞれで補完し合う形となった作品である。
出版概要と著者コメント
書名は『チルド』、著者は伊西殻、原案は岩崎裕介、発行はKADOKAWAである。発売日は2026年7月31日、定価は1,925円(本体1,750円+税)、仕様は四六判でISBNは9784045001871。著者の伊西殻は「岩崎監督の映像パワーにあふれ、不条理かつ淡々とした『チルド』の作品世界をできる限り再現しつつ、少し違う角度から文で構築した」とコメントしている。原案の岩崎裕介も「伊西先生の筆致は静謐かつ緻密、かと思いきや唐突にアクセルベタ踏みしたり、急停止したり。油断も隙もない」と述べている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000132499.html