日本ベーリンガーインゲルハイム、「インスリン分泌制御機構とインスリン分泌低下性糖尿病」をテーマとした、第62回「ベルツ賞」受賞者を発表
・ 1964年に創設された、伝統ある医学賞「ベルツ賞」は、毎年優れた医学論文を表彰
・ 第62回は「インスリン分泌制御機構とインスリン分泌低下性糖尿病」をテーマに募集し、東北大学大学院医学系研究科 糖尿病代謝・内分泌内科学分野 教授 片桐秀樹先生、および東北大学病院 糖尿病代謝・内分泌内科 特命教授 今井淳太先生の「臓器間神経ネットワークによるインスリン分泌・膵 β 細胞増殖制御機構の解明とインスリン分泌低下性糖尿病治療への応用」が1等賞を受賞
2025年12月2日 日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役会長 兼 社長 ヤンシュテファン・シェルド)は、本日、第62回(2025年度)ベルツ賞受賞論文を発表するとともに、贈呈式を執り行いました。
「ベルツ賞」は、日本とドイツ両国の歴史的な医学領域での交流関係を回顧し、またその交流関係を更に深めていく目的で、ベーリンガーインゲルハイムが1964年に創設した伝統ある医学賞です。毎年、時宜に応じたテーマで論文を募り、優れた論文に対し授与しています。第62回となる今年は、「インスリン分泌制御機構とインスリン分泌低下性糖尿病」をテーマとして論文を募集し、9篇の論文が寄せられました。常任委員5名と専門委員4名からなる選考委員会による厳正な審査の結果、次の通り受賞者が決定いたしました。
1等賞 「臓器間神経ネットワークによるインスリン分泌・膵 β 細胞増殖制御機構の解明とインスリン分泌低下性糖尿病治療への応用」
東北大学大学院医学系研究科 糖尿病代謝・内分泌内科学分野 教授
片桐 秀樹(かたぎり ひでき)先生
東北大学病院 糖尿病代謝・内分泌内科 特命教授
今井 淳太(いまい じゅんた)先生
【主な評価ポイント】
神経を介した臓器間ネットワークが全身の代謝恒常性維持に果たす役割を明らかにし、その新しい概念を提示したパイオニア的な研究であり、インスリン分泌制御機構の病態解明ならびにインスリン低下性糖尿病の治療開発に大きく寄与するものである点
2等賞 「膵β細胞転写因子の異常によるインスリン分泌低下型糖尿病の発見とその発症機構の解明」
熊本大学大学院生命科学研究部 病態生化学講座 教授
山縣 和也(やまがた かずや)先生
【主な評価ポイント】
若年発症成人型糖尿病(maturity-onset diabetes of the young: MODY)とよばれるインスリン分泌低下性糖尿病の成因解明、ならびに治療法の開発に大きく貢献された点
※受賞者の略歴、受賞論文の抄録については、別添をご覧ください。
贈呈式は本日、ドイツ大使公邸で執り行われ、日本ベーリンガーインゲルハイムより、1等賞受賞者には1000万円、2等賞受賞者には500万円の賞金、さらに賞状とメダルがそれぞれ贈呈されました。
日本ベーリンガーインゲルハイム取締役医薬開発本部長のマリカ ・ テテレは、「ベルツ賞は長年にわたり日本の医学研究の高い水準を象徴してきた伝統と権威のある医学賞であり、これまで継続できたことに心より感謝いたします。世界で約6億人が糖尿病とともに生きる中、近年新たな治療法が積極的に開発されているものの、引き続き患者さんの切実なニーズや社会的課題が存在します。今回の受賞研究は、糖尿病における新たな治療選択肢の創出に道を開き、患者さんにより良い未来をもたらすことが期待されます。」と述べています。
日本ベーリンガーインゲルハイムは日本の医学の発展のため、ベルツ賞を通じて、これからも日本における医学界の研究活動を支援してまいります。
日本ベーリンガーインゲルハイム 公式ウェブサイト ベルツ賞ページ
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/herutsushang
第62回(2025年度)ベルツ賞 選考委員会
2025年度 専門委員

常任委員

ベルツ賞について
「ベルツ賞」(正式名称:「エルウィン・フォン・ベルツ賞」)はベーリンガーインゲルハイムが1964年に設立した伝統ある日本国内の医学賞です。日独両国間の歴史的な医学領域での交流関係を回顧し、またその交流関係を更に深めていく目的で設立されました。「ベルツ賞」の名称は、日本の近代医学の発展に大きな功績を残したドイツ人医師エルウィン・フォン・ベルツ博士の名を冠したものです。ベルツ博士は、ドイツ チュービンゲン大学で医学を学び、ライプチヒ大学講師を経て1876年(明治9年)に来日しました。在日中は、現在の東京大学医学部の前身である東京医学校で教鞭をとり、数多くの優れた日本人医学者を育てるとともに、皇室の侍医を務めた事でも広く知られています。医学教育のみならず、公衆衛生面でも日本の防疫事業の基礎を築くなど、明治から始まる黎明期に日本が西洋医学を導入する上で、大きな貢献をした指導者の一人です。「ベルツ賞」の歴代受賞者には、2018年度ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学 特別教授 本庶 佑先生(第22回 1984年度受賞)をはじめ、生命科学や医学を牽引する研究者が名を連ねています。
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