マンネリ化対策
「お腹が空いたと子どもたちが言うので、フードコートへ行った。
席に座ってパパと待っててねと言って、私はアイス屋を探してイチゴ味のソフトクリームを3つ注文した。
しかし、しばらく待ってもソフトクリームは出てこない。
気づけば後ろに長蛇の列。
少し遠い席だが、夫が心配そうにこちらを見ているのがわかる。
列の後ろの人からの威圧も感じ始め、私は迷ったが店員に催促した。
『まだですか』
すると
『入れる袋がこれしかないんです』と、家のドアくらい大きい紙袋を出してきた。
『もうそれでいいです』と言ったら、店員はその紙袋にソフトクリームを裸のまま入れた。
もはや食べられない状態になっているのでは、とも思ったがそれよりも、もう誰も待たせたくない。
やっと品物を受け取れると思ったら、突然避難訓練のベルが鳴り、店員も長蛇の列もみんな解散してしまった。」
これは先日、私の携帯電話に記録されていた文章です。
このどうしようもない話が何かというと、実は「夢日記」。
その日見た夢を、日記に書いていると知り合いから聞き、その内容がとても興味深く、自分も一度やってみよう!と思ったのです。
さっそく、朝の寝ぼけた頭で何度かメモしてみました。
よく、夢の話ほどつまらないものはないと言いますが、これが本人にとっては意外と面白い。
たまに家族にも「どんな夢見たー?」とコミュニケーションを兼ねて教えてもらったりも。
夢日記のいい点はなによりも、いつもの自分からは生まれることのない話が書けることです。
人の夢の話ならば、その人が普段ならしないであろうことが聞けます。
夢は支離滅裂で、おかしなことだらけなのですが、現実にありそうな部分もちゃんと含まれているという不思議な世界。
文章にマンネリを感じたり、新しい発想に苦しんでいる時には創作のヒントとなるように思います。
ただ、夢を文章におこすとどうしても「ここが矛盾してるな」とか「こうしたらもっと面白くなりそう」と、途中で修正や脚色をしたくなります。
そこをぐっと我慢し、まずはありのまま書くことがカギ。
それは、作りこむといつもの自分の発想に戻ってしまうからです。
ぼんやりとした存在しない世界を、字という形にすることは、あまり深く考えると、深層心理とか難しい話になりそうですが、何も考えず気軽に書いてみると結構楽しいものです。
文章のお遊びのひとつとして、よかったらお試しを。
自分らしくないめちゃくちゃな話が簡単に書けますよ。