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作文・エッセイ
公募ママ

公募歴5年、入選回数は200以上。驚異の入選確率を誇る塩田友美子さんには、どんな秘密があるのだろう。読めば自分も入選できる!?

皆さんは、「大事なことをやめたくなった」経験はありますか。

私は公募を始めてから6年ほどたちますが、これまで休みなく投稿してきました。

もちろん、数日さぼったことはありますが、頭の片隅にはいつも公募がありました。

しかし、ここ2か月ほど投稿数ゼロ!

これまでの私からは考えられないことです。

思い返すと、公募の世界を知ってすぐに魅了され夢中になりました。

誌面の賞金レース企画への参加や、この連載のお話もいただき、さらにやる気に燃えていきました。

それなのに自分でも驚くほどに、公募スイッチが突然OFFになってしまったのです。

毎日の生活の中で、自分だけの時間を捻出するのは難しいことですよね。

私は体力もなく要領も良い方ではないので、仕事や家事がひと段落する頃にはすでに日付が変わりそうな時間になっています。

そこから机に向かって1、2時間創作する日々を過ごしていたのですが、ある日いきなりプツンと糸が切れたように、公募への意欲がわかなくなってしまいました。

この6年間、出産や引っ越しなどで環境や状況が変わっても、唯一続けてきた趣味と言っていい公募。

一生懸命になることに、何の疑問も持たずに自分の時間を費やしてきました。

しかし、近頃は生活面に労力を使い果たしてしまう日々。

睡眠時間を削って、疲れた体に鞭打ってまでやることなのかと思うことが増えていきました。

連載をしているからには入選しなくては、というプレッシャーも常にあります。

さらには、そもそもプレッシャーに感じるほどこの連載を見てくれている人はいるのか?という疑問まで生まれ始めました。

割と前向きな方だと思っていた自分が、なぜここまで考え込んでしまったのか。

倦怠期のようなただの「中だるみ」かもしれませんが、これが本当に厄介なものだったのです。

どうにかしたくても、自分一人ではなかなかエンジンをかけ直すことができずに時間ばかりが過ぎていく。

そんなある夜、布団の中で「ママ公募やめようかな」と口に出すと、長女が驚いて言いました。

「ママ、公募好きなんじゃないの?」

そのたった一言で、私が公募を続けていた動機を、明確かつシンプルに教えてもらった気がしました。

好きだから時間も作ろうと思えたし、面白いと思っているからここまで続けてきた。

私、公募が好きだったんだ。

と気づくのに2か月かかったお恥ずかしい話です。

だから、わがままに好きなことはやっぱりやめないでいようと決めました。

ただ、無理せず元気でいることも、やらなければならないことの一つとして忘れずにいようと思います。

一時はこの連載も悩みに悩んで、やめさせていただこうと、公募ガイドの方々にはたくさんご相談に乗っていただきました。

そんな話し合いを重ねていくうちに、共にここまで進めてきた「気ままに公募ママ」は、私にとってかけがえのない存在となっていたことに気づくことができたのです。

これからは生活時間を工夫しながら、心地よいと思えるペースで公募を楽しみたい。

勝手に仕切り直して「気ままに公募ママ・第二シーズン」の始まりです。

多くの方々を巻き込んだリセット期間になってしまいましたが、読んでくださる方、関わってくださる方々に感謝して、皆さんと共にまた公募を楽しんでいけたら嬉しく思います。