シンプルを楽しむ
自分の考えていることを、最大限伝わる言葉で表すことは日常生活でも難しいことですよね。
このエッセイも、自分の言葉のボキャブラリーの少なさにもどかしさを感じながら書いています。
ただ、短歌や川柳のように短い言葉で表現する詩型では、完成した時に「この言葉でしか表せなかった」と思える作品にしたいといつも思っています。
私が特に気を付けていることは、漢字やカタカナ、ひらがなのバランスで、まず一目見たときにガチャガチャし過ぎていないことです。
なんか読むのが面倒くさい、と思われないようにしたい。
また、書いた後に何度か声に出して読んでみます。
そうすると語順や単語の違和感に気付くので、もっとリズムが良くならないかと調整していきます。
先日、第47回羽島市文芸祭の短歌部門で秀作賞をいただきました。
作品集には俳句、詩、川柳部門の評価も丁寧に記載されていて大変勉強になりました。
入選作がこちら
「占いは信じないけどデート前瞼にのせるラッキーカラー」
お題は自由だったので、ちょっと可愛めに挑戦してみました。
人は、なにか見えないものの力を借りようとすることがありますよね。
いつもとは違うことさえしてしまうデート前の浮かれている心情や、恋する若々しさを詠んでみました。
普段は使わないカラーを瞼にのせるというたったひとつの行動から、人のエネルギーや心境を読み取れるようにできたらいいなと思ったのです。
自分でいうのもなんですが、わかりやすい作品にできたと思います。
短歌は勉強中ですがまだまだ未熟で、解説を聞かなければ読み解けない作品が多くあります。
より深みのある複雑な作品もいつかは詠んでみたいのですが、いまはシンプルな作品をストレートに評価していただけたことを嬉しく思います。
短歌は川柳よりも文字数が多く、表現できる幅が少し広がります。
その分パズルのピースが増えたように、さまざまな組み合わせに悩むのです。
しかし、その分ピタッと心にはまった時には爽快感があります。
自分の中の言葉や表現方法を増やしていき、より豊かな創作ライフを過ごせたら幸せだなあと思います。