『このミステリーがすごい!』大賞の「隠し玉」がすごい!!
ミステリー&エンターテインメント作家の発掘・育成を目指す新人賞『このミステリーがすごい!』大賞。大賞賞金が、文学賞最高額である1200万円であることが有名ですが、応募時点では受賞に至らない作品であっても、大きく改稿することでベストセラーになる可能性を秘めている原稿に与えられる「隠し玉」というシステム(賞)もユニークです。
その隠し玉出身の『珈琲店タレーランの事件簿』シリーズは、2016年11月8日(火)に、最新刊『珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶(えんおうちゃ)がおいしくなりますように』が刊行され、なんとシリーズ累計200万部を突破するとのことで、大きな話題となっています。
著者の岡崎琢磨(おかざき・たくま)氏は、京都大学法学部卒業後、地元・福岡県の寺院に勤務しながら、第10回『このミステリーがすごい!』大賞に応募。惜しくも大賞受賞は逃しましたが、「隠し玉」シリーズとして『珈琲店タレーランの事件簿』でデビューしました。
「タレーラン」シリーズは、京都を舞台にした日常の謎解きや珈琲にまつわるうんちくなどを含んだ人が死なないライトなミステリーである点や、手に取りやすいかわいいイラストの表紙が受け、年配の女性、珈琲好きの方、若い男性など、幅広い世代に支持をされています。また、第1巻は第一回「京都本大賞」大賞も受賞しています。
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【著者プロフィール】
岡崎琢磨(おかざき・たくま)1986年、福岡県太宰府市生まれ。京都大学法学部卒業後、地元の福岡県の寺院に勤務しながら、第10回『このミステリーがすごい!』大賞に応募。惜しくも大賞受賞は逃すが、「隠し玉」として、『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』で2012年8月にデビュー。その他の著書に『季節はうつる、メリーゴーランドのように』(2015年7月 角川書店)、『道然寺さんの双子探偵』(2016年6月 朝日文庫)などがある。
『このミステリーがすごい!』大賞を受賞するコツ
文学賞を受賞するにはどうすればいいのか、傾向と対策はどう立てればよいのか。多数のプロ作家を世に送り出してきた若桜木虔先生が、デビューするための裏技を文学賞別に伝授する好評連載「作家デビューの裏技、教えます!」。
過去に『このミステリーがすごい!』大賞について語ってもらった回をまとめました。この賞を目指すかたは、あわせてぜひご覧ください。
イジメの話は一次落ちの可能性アリ[2016年6月号]
ミステリー要素がなく、時代劇でも受賞する「懐の広さ」[2016年5月号]
現実の出来事をなぞらない[2015年6月号]
「映像化が可能か否か?」が大きな加点ポイント[2014年6月号]
「主人公のドジでピンチを招く展開」に注意[2013年6月号]
こういう作品を書いて応募してはいけない[2012年5月号]