【作詞してみた】 校歌・校章募集に挑戦!【デザインのコツも公開】
行事のたびに歌った校歌や、毎日見ていた校章……。学校のシンボルでもある校歌や校章のデザインを募集する、そんな公募があるのをご存知ですか?
自分の応募した作品が何十年も使われるかもしれないと思うと、ドキドキしますよね。今回は、歴史に名を残す「校歌・校章の公募」についてご紹介します。
私、ライターの芦田が実際に歌詞づくりにも挑戦しました!
学校の統合・新設は意外と多い
少子化などに伴い、学校の数は減っています。複数の学校が統合して、新たに1つの学校として再出発するケースも少なくありません。
学校が統合した場合、新しい校名、校歌、校章を設定することが多いようです。地域にゆかりのある音楽家が校歌を手掛けたり、芸術家が校章をデザインしたり……。たとえば、長沼中学校(北海道)の校歌は歌手の大黒摩季さんが作詞作曲、宇都宮工業高校(栃木県)の布袋寅泰さんが作詞したことで話題になりました。
一方で、一般公募を行うケースもあります。広い地域から多様な作品が集まる、地域を知ってもらうきっかけになる、などのメリットがありますね!
校歌や校章の公募は数が多いわけではありませんが、毎年あります。見かけたらぜひ挑戦したい公募の一つです。
兵庫県丹波市の小学校で募集中(3月中旬まで)
兵庫県東部に位置する丹波(たんば)市。現在ある22校の小学校のうち、竹田小学校と前山(さきやま)小学校が2024年4月に統合します。
竹田小学校
前山小学校
新しい校名は公募で「竹山小学校」に決定しましたが、校名に続き、新しい校歌と校章デザインを公募しています。締切は2023年3月17日。入選作品(各1点)には10万円が贈られる予定です。
学校関連の公募は多くの場合、市町村や学校のWEBサイトに募集要項が掲載されます。公募ガイドオンラインや季刊誌でもご紹介しますので、要チェックです!
実際にライターが作詞をしてみたところ……
日頃から創作に取り組む方でも、歌詞を書いたことのある方は少ないのではないでしょうか? そこで実際に私、芦田が作詞に挑戦してみたいと思います。歌詞作りは未経験ですが、がんばります!
まず地域のことを知りましょう。関東在住の私が兵庫県まで行くことは難しいものの、Googleマップで小学校を検索すれば、ストリートビューで周辺を散策できます。検索によると、竹田小学校と前山小学校は4km弱離れているようです。標高443mの高谷山と、桜が美しくキャンプも楽しめる大杉ダムの間に位置する地域は、豊かな自然、山や水に富んでいることがわかります。
現在の各小学校の校歌も参考になりそうです。募集要項と合わせて、主催者のWEBサイトに参考情報として掲載されています。
やはり「高谷山(こうだにやま)」「竹田の川」「五台の山」「五瀬の川べ」など、地域の自然が盛り込まれています。
また、古くからある校歌は「五七調」であることが多いようです。どちらの校歌も「五七調」になっていますね。例:さきやまの(5音)へいわのさとに(7音)
5音や7音の言葉は、俳句や短歌などでも知られるように、日本語の美しさを引き出してくれます。短→長のリズムである「五七調」は特に安定感が出ますが、長→短のリズムである「七五調」を採用した校歌も多いようです。このリズムを校歌作りに取り入れてもいいかもしれません。
また、募集要項はよく読む必要があります。要項によると、求める歌詞は以下の通りです。
〇外国語などを多用せず、児童が理解しやすい歌詞〇竹田・前山地域の自然、文化及び歴史などがイメージできる歌詞
〇児童に夢や未来への希望が伝わるような明るい印象の歌詞
〇児童の成長及び学校での教育に期待が込められている歌詞
〇「竹山小学校」又は「竹山」の文字を含む歌詞
各小学校の学校サイトも参考になります。(丹波市立小中学校ポータルサイト)
学校の沿革や、生徒たちの様子、校長先生のお話などを読むと、実際の学び舎に思いをはせることができるでしょう。どちらの小学校も、明治から続く歴史ある学校だということもわかります。
こちらの、竹田小学校校長先生からのお便りによると、統合後の小学校名を公募した際には、「さわやか」「なかよし」「かがやき」など、子どもたちからの応募かもしれない案も寄せられたそうです。募集要項にある「児童の夢や未来への希望」につながりますね。
さて、上記をふまえて考えてみました!
あかるい出会い きみとぼく高谷山に はげまされ
川の輝き 胸にうけ
なかよく伸びる 若竹だ
すすめ 竹山小学校
いかがでしょうか? 最後、七五調を崩して「すすめ!」と入れてみたのが個人的にこだわりポイントです! せっかく新しく募集するので、もう少し今風でもいいかも。七五調でなくても、もちろんOKですが、長すぎる歌詞や複雑なリズムは曲にするのが難しそうです。
学校生活が楽しくなる作品を
校歌の作詞も校章デザインも、通常、奇抜さやキャッチーさは求められません。安定感や親しみやすさ、シンプルな普遍性が必要です。つまり、私たち一般の人々の感覚に広くなじむ作品が求められます。
校章も、手描きで応募可能です。旗などの大きいサイズから、書類などの小さいサイズまで、さまざまなサイズで使うことを考慮しましょう。シンプルで遠目にもわかりやすいものが◎。描いてみた作品は、応募の前にコピー機で拡大縮小してみたり、実際に使いそうなサイズに切り抜いてみたりするとよさそうです。現在の校章も参考にしましょう!
現在の校章(左)竹田小学校(右)前山小学校
私も作詞を通して、すっかり丹波市に興味津々。いつか訪れてみたい場所の一つになりました。ご当地公募に挑戦する楽しさを感じながら、子どもたちを笑顔にする校歌・校章を考えましょう!
芦田みどり
公募情報ライター。最近は各地を盛り上げるご当地公募から目が離せない。好物はネギトロ。公募ガイド公式Instagramでも執筆中。
出典:https://www.city.tamba.lg.jp/site/kyouiku/itijimatiikisiritusyougakkoutougou-kouka-kousyou.html
コンテストの趣旨がより明確に伝わるよう、公式サイトの画像を一部引用させていただくケースがございます。掲載をご希望でない場合は、お問い合わせフォームよりお申し付けください。