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その文章が劇的に変わる最後のひと手間②:推敲の実態 調査結果

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本誌読者を対象に、推敲に関する読者アンケートを実施しました。皆さんとはどう違いますか?

ギリギリになっても、推敲は絶対にすること

公募ガイド読者にアンケートした結果は下記のとおりです。
Q1は、「あなたは推敲をしますか?」。
さすがに「しない」という人はゼロに近い数字でした。
といっても、少ないながらテニヲハしかチェックしない人もいれば、テーマから見直す人もいて、そのありようはさまざまです。
「する」:98.4%
「しない」:1.6%
Q2は「具体的には何を直しますか?」
複数回答可でしたが、グラフを見てもわかるとおり、『テニヲハ』のチェックが多め、『テーマ』の推敲は少なめというだけで、どれもまんべんなくやっていることがわかります。
「テニヲハ」:27.2%
「話の筋道」:24.1%
「バランス」:19.4%
「文章」:17.8%
「テーマ」:11.5%
Q3の「推敲にどのくらいの時間をかけますか?」(原稿用紙3〜5枚の作品の場合)は、「1週間」と回答した人が最多でした。
推敲にかける時間には、原稿を寝かせている時間を含みますので、推敲と原稿を寝かせるのをくり返せば、あっという間に1週間になってしまうでしょう。
一回でも推敲をすれば、完成度はかなり上がります。最低でも一回、できれば三回以上、原稿に目を通しましょう。
「1週間」:55.9%
「1日」:18.6%
「1ヶ月」:13.4%
「1時間」:12.1%

文章の推敲Q&A

Q1:推敲で直したいポイントがありすぎて混乱しそうです。


推敲して見直したいことはたくさんありますが、すべてをいっぺんにやるとすべて中途半端で終わる危険があります。
「今回は、全体のバランス、配分を確認しよう」「今回はテーマが浮き彫りなっているかをチェックしよう」のように、毎回一つのポイントに絞って推敲しましょう。文章全体を見ながら、同時に細部を見ようとすると見逃します。

Q2:文章全体を見ていて、誤字に気づいたら直していいですか。

「今回は作品を大局的に見て、なくても話が成立するような段落はばっさり削ろう」と思って読み直しをしていて、たまたま直したい箇所を見つけることもあります。でも、そのときは軽く傍線を引いたり、赤字で「もっと具体的に」と書いておくぐらいにとどめ、あとでじっくり直しましょう。

Q3:推敲にはどれくらい時間をかけますか。終わりがありません。

作家の井伏鱒二は、昭和4年に発表した『山椒魚』を、昭和60年になって書き直しました。このことからもわかるように、書き直しには終わりがないもので、もう直しはないだろうと思っても、直したい部分は必ずでてきます。
一つの目安として、「これ以上直すとかえって悪くなる」という段階まで来たら、もう一切赤字を入れないと決めていいでしょう。

Q4:推敲が終わるまでのモデルスケジュールはありますか。

推敲にどれだけ時間をかけるかは人にも枚数にもよりますが、実際に手を動かして原稿を書いている時間の何倍もかかるのが普通と思ってください。原稿のことをいったん忘れることを「寝かせる」と言いますが、寝かせる時間も含めればさらにかかります。
原稿用紙3〜5枚の作品でも、締切の10日前には書き上がっていてほしいですね。

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