せきしろの自由律俳句 第84回「書く」結果発表
結果発表
第84回 課題: 書く
せきしろの一句
朝の喧騒香典の書き方を調べている
最優秀賞
砂浜の字に意外にも波が来ない
( 愛知県 東野礼豊 15歳)
砂浜の文字は波によって消える描写を数多く目にしてきたが、消えないパターンはなかなかない。波が来ても文字がうっすら残る時もあり、『まさかジープで来るとは』という本にそんな話を書いたのでよかったら読んでいただきたい。
優秀賞
曇った窓取り合う小さな指
( 北海道 エリンギ 36歳)
曇ったガラス窓に文字を書きたい子ども。小さい指が場所を取り合うように書き始める。ほのぼのとする句だ。思えばもう何年も、いや何十年も窓に文字を書いていない。次、機会があったら絶対書いてみよう。
かぶだいこんと書いて冬
( 茨城県 山田文妙 87歳)
「かぶ」と「大根」という冬野菜の名前を書く。書いたのが手紙であっても、ハガキであっても、買い物のメモであっても、今夜のレシピのメモであっても、たしかに冬を感じる。新しい気づきをくれた句だ。