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140字の小説家神田澪の書き下ろし小説が読める! カキダシフォトコン 第8回「君のつく嘘が好きだった」結果発表

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カキダシフォトコン
結果発表
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「140字の物語」でおなじみの神田澪が出すお題にそって写真を募集するという、
小説×写真の新感覚フォトコン!

お題は小説の書き出し一行目。一文から物語を自分なりに考え、その物語を予感させるような一枚を撮影してください。

神田澪が
写真からインスピレーションを受け、
140字の小説を紡いでくれる!


■選考委員/神田澪

140字の"超短編"小説制作者。作家・作詞家。著書は「真夜中のウラノメトリア」「最後は会ってさよならをしよう」「私達は、月が綺麗だねと囁き合うことさえできない」など。

結果発表
ー お 題 ー
君のつく嘘が好きだった

最優秀賞

photo by 晴天

STORY /「あの雲、犬!」あの頃並んで歩いた通学路。不格好な雲を指差しては、自信満々になにかを当てはめる君。そう見えないと言えば、そうにしか見えないと頬を膨らますのが可愛かった。今なら分かる、あの子が僕の心の掴み方を知っていたこと。

言われてから見ればギリギリ犬かも、いやそうでもないかも、と思える絶妙な一枚ですね。今も日本のどこかでこんな会話が交わされているのかも。

優秀賞

photo by うぐいす

STORY /帰り道、ありもしない習い事を作り出して、一緒に帰ってくれた人がいた。週に一回の塾以外、全部嘘だったのに、ほとんどの日は一緒に帰った。あの頃の私の方が、今の私より素直だったかもしれない。変に邪推せずに、ただただ嬉しいまま。今度、あの道を歩いてみようか。

「この景色を見ながら、毎日毎日、二人で歩いていたんだろうなあ」と想像させる写真ですね。こんな道、通った気がするなと思わせる風景のチョイスが素晴らしいです。



photo by さく

STORY /夜眠れず友人に電話をかけた。返答がだんだん淡白になり「眠くない?」と聞くと「まだ全然」と言う。久しぶりのお喋りは話題が尽きず、つい長電話になってしまう。すると、ふと向こうからの応答がなくなっていることに気がついた。友人が眠たくても話そうとしてくれたことが嬉しくて、笑みがこぼれた。

寝落ち通話をしたことがある人は、この写真を見ただけでなんだか懐かしい気持ちになるのではないでしょうか。相手が寝てしまったことを残念に思うのではなく、相手の優しさに笑みが溢れる主人公も素敵です。

佳作

STORY /子どもの頃、僕の友達は、日本や世界のあちこちを旅行したことをよく僕に話していた。嘘だとわかってはいたけれど、彼の話は臨場感があってとても面白かった。ふとそれを思い出して、話に出てきた場所に行くことにした。長い道のりの先にあったのは、彼の話と全く同じ景色だった。

旅から帰ってきた「僕」もまた、同じように誰かに思い出を語って「嘘だあ」と思われるのかもしれないですね。

STORY /高いところが苦手な彼だけど、私の好きな観覧車には一緒に乗ってくれる。大丈夫だよ、って…ほんと?記念に買った置き物を見ると、そんな元彼との思い出が蘇る。僕じゃ彼女を幸せにできないなんて言っていたことを知ったのは、別れてから随分たった頃のこと。他に好きな人ができたなんて、嘘つき。

家に遊びに来た友人に「可愛い置物だね」と褒められて、そうでしょ、と答えながら昔の恋を思い出す、なんてことがありそうですね。

STORY /天狗の庭はノックをしてください。でも、全国を飛び回ってるから、いつも留守。そのうちに、メールアドレスがかかってるかも

天狗の庭に来た人をワクワクさせる、ユーモア溢れる案内ですね。

STORY、 /そら上、からす。と言っても、彼女はいないからす。と言う。何故だかわからないのに、それが可愛かったから見つけた時には毎回言っていた。ある日怒られた。からすはいない。からすはいない。嫉妬に頬にからすの色。

ストーリーと合わせて見ると、カラスが可愛く思えてくる一枚です。また文章の表現がのびのびとしていて素敵です。

STORY /「ええ!そんなんじゃないわよ」。ようやく誘えた彼女が、突然、水槽の前で叫んだ。「どうしたの?」彼女の機嫌が心配になって僕は聞いた。「真ん中のコが、カッコいい彼氏だね、って言うから」"

ストーリーとしても秀逸です。きっとクラゲはその後の二人を微笑ましく見守っているのでしょう。

STORY /「虹の麓には虹色のキノコが生えてるんだよ。」「紅生姜をたくさん食べると体がピンクになってきちゃうんだよ。」君の個性的な嘘はいつも僕を笑わせてくれた。そして、一生懸命面白い嘘を考える君の横顔はもっと好きだった。でも、君の最後の嘘だけは嫌いだ。「来年もここから一緒に桜を見ようね。」

君のつく嘘が好きだった、の「だった」が強調された形のストーリーですね。この景色を見ながら、個性的な嘘の話を思い返しているのだろうと想像が膨らみます。

STORY /「あそこに星が三つあるだろう」 「下二つは電線についてる玉だよ」 「いいや、あれは僕が作った星だ。一人きりの星がかわいそうだったから。一人ぼっちに仲間を作ってあげる、それが僕の役目。ときには僕自身が星になる」 そして彼は私の手を握った。「君も、一人になんかさせない」。

強引さとスピード感に思わず笑ってしまいました。でも、そんな「彼」だからこそ、なんだか可愛く思えてきそうです。
ー 総 評 ー

今回のお題は「君のつく嘘が好きだった」でした。お題アンケートで最多投票を獲得した人気のお題でしたが、いかがだったでしょうか。エモーショナルで感情の変化をストーリーにしやすい反面、モチーフや展開が似やすいので、オリジナリティの面で悩まれた方も多かったかと推察します。今回は、ワクワクしたり、ハッとなったりした「愛しい嘘」に賞を贈らせていただきました。



第7回「子どもの頃に戻れたら」結果発表はこちら




応募要項
お 題

■第9回
「言わないでいる方が楽だった」

お題の書き出し一行からインスピレーションを受けた写真を応募してください。文章から想像した風景や一文から始まりそうなストーリーを想起させる場所やものなどを自由に想像して1枚におさめてください。被写体の有無は問いません。

締 切

■第9回 3/5~3/31

応募方法

WEBまたはTwitterで応募。

※WEBの場合
● 写真
● どんなストーリーを想像して撮ったか(140文字以内)
以上、二つをセットで応募してください。

※Twitterの場合
● 公募ガイド公式アカウント「@kouboguide」をフォローしてください。
● ハッシュタグ「#カキダシフォトコン」「#言わないでいる方が楽だった」をつけ、画像をツイートしてください。また、そのツイートにリプライするかたちで「どんなストーリーを想像して撮ったか」を投稿してください。

応募条件

・応募は撮影者本人に限ります。複数名での応募は不可です。
・過度に画像加工した作品(実在のものを消したり、ないものを描いたり過度に色を変えたもの)は失格とします。トリミング、自然な濃度や色味の調整などはこれに該当しません。
・人物が写り込んでいるものは、個人を特定できないものに限ります。
・作品は未発表オリジナル作品とし、採用作品の著作権は公募ガイド社に帰属。 応募者に弊社から公募に関する情報をお知らせする場合があります。

発表

■第9回
 4/15 Koubo上で発表します。

最優秀賞(1点)
=神田澪が小説化、Amazonギフト券3000円分
優秀賞(2点)
=神田澪が小説化、Amazonギフト券1000円分
佳作(7点)
=記念品

応募先

WEB応募は上記「お題」のところに記載の「応募はこちら」から応募してください。
Twitterはご自分のアカウントからつぶやいてください。
※応募は1回につき1点とし、何点でも応募可。