環境にやさしく、「好き」を表現! アップサイクルデザインコンテスト『Reclothes Cup 2024』
ブックオフが主催しているファッションコンテスト『Reclothes Cup(以下、リクロースカップ)2024』では、古着を使って新しい価値を生み出す、いわゆるアップサイクル作品を募集中。毎年、服飾業界の未来を担う学生たちがしのぎを削っている大会を通して、ファッションからサステナブルな社会について考えてみませんか? 締切は2024年6月15日です。
環境負荷が非常に大きいファッション産業
私たちの暮らしをより豊かに、より華やかにしてくれるファッション。衣類や服飾品の低価格化が進んだことにより、誰もがいろんなアイテムを購入して、さまざまなコーディネートを楽しめる時代になりました。しかしその結果、大量生産・大量消費が当たり前になったファッション産業は、今や石油産業の次に環境を汚染する産業となってしまいました。
日本においても、年間50万トンもの衣類が廃棄されているなど、多くの資源が無駄になっています。また環境庁の調査(2022年度)によると、1年間で1回も着られていない服が1人あたり35 着もあるそう。なかには、流行が変わったり、サイズが変わったりして、新品のまま可燃ゴミに捨てられてしまうようなお洋服も……。このように、まだまだ着られるのに捨てられてしまう洋服(ファッションロス)は、現在大きな社会問題になっているのです。
古着のアップサイクルって?
購入した洋服を出来るだけ長く着ることが、環境に一番やさしいアクションです。しかし、現実的には手持ちの洋服すべてをずっと着続けるのは、なかなか難しい面もありますよね。できるだけ環境に優しい、洋服の手放し方として一般的なのは、リサイクル(資源回収)やリユース(フリマ、ショップなどで誰かに譲る)ですが、ここではアップサイクルという考え方に着目してみましょう。
アップサイクルとは、本来は廃棄してしまうものを加工し、新たな価値をもった製品に再生すること。本記事でご紹介しているブックオフ主催の「リクロースカップ」も、古着をアップサイクルした作品がテーマのコンテストです。
デザイン部門グランプリ「付喪神」
デザイン部門準グランプリ「Catalyst」
こちらは前回のグランプリ、準グランプリの作品。本コンテストでは、なんとすべての作品がブックオフで販売されている古着を使って製作されています。
また、本コンテストの開催の背景には「コロナ渦で作品を発表するコンテストやファッションショーが減っている」という、服飾学生のアルバイトさんの声もあったそう。環境問題の観点からだけでなく、ファッション業界を目指す学生の発表の機会としても、大切な取り組みとなっているのです。
めざせ、サステナブルなデザイン
「リクロースカップ」が作品を募集しているのは、「デザイン部門」と「販売部門」の2つ。高校生以上の学生のみが対象の「デザイン部門」では、自由に個性を発揮して、あなただけのアップサイクル作品を形にしてみましょう。一方、誰でも応募できる「販売部門」は、ミリタリーフライトジャケットとして男女問わず人気がある“MA-1”がテーマ。こちらは実際に販売可能な洋服をデザインし、制作してください。
アップサイクルに興味はあるけど、コンテストに参加するのは技術的に難しいな……という人は、日本のアップサイクルブランドに目を向けてみるのもいいかもしれません。廃棄リンゴから生まれるアップルレザーを使用したかばんや、海に流れ込んだプラスチックゴミを溶かして作ったアクセサリー、着物や帯の柄や素材の良さを生かしたシューズなど、アップサイクルとひとくちにいっても、ブランドや手法はさまざま。これを機にアップサイクル商品から、お気に入りのものを探してみてはいかがでしょうか?
三度の飯よりゲームが好きな公募情報ライター。ソシャゲのスタミナ消費に追われながら、最近公募に目覚めた娘のチャレンジを応援する日々を送っている。