せきしろの自由律俳句 第86回「昼」結果発表
結果発表
第86回 課題: 昼
せきしろの一句
昼から雨だと知っていても
最優秀賞
ヘルメット残し昼寝する重機
( 静岡県 のに 48歳)
静寂が伝わってくる句である。動いていたものが止まることによって生じる静寂は数あれど、重機ほど視覚を含めて静寂を感じさせてくれるものはない。同時にお昼の賑やかさも存在しているのが良い。
優秀賞
マフラーで膨れたリュック
( 神奈川県 へやぼし 34歳)
春先だろうか、朝は冷えていたのでマフラーを巻いてきたが、お昼頃には気温が上がってマフラーがいらなくなり、リュックに入れる。そんな時間経過を想像させてくれる句。マフラーで膨れる季節も悪くない。
昼の銭湯でまだきれいな身体を洗う
( 大阪府 フルカワ 32歳)
たとえば朝にシャワーを浴びる。その数時間後の銭湯ではたしかにまだ身体は綺麗だと言える。洗わなくても良いと思っても不思議ではない。しかしせっかくの銭湯だから身体を洗わないのはどこかもったいなさもある。ちょっとした葛藤を感じる句だ。