建築現場の仮囲いが街の人気者に!?障がい者アートと学生の力で社会課題解決へ
建築現場といえば、騒音や安全面から「街の迷惑者」というイメージがつきまとう。しかし、そんな固定観念を覆す画期的なプロジェクトが始動した。京都芸術大学の学生たちが、重症心身障がい者施設「ノーサイドSTUDIO」のアート作品を活用し、建築現場の仮囲いをデザインするという取り組みだ。
このプロジェクトは、建築会社の稲継工務店、障がい者支援を行うandna(アンドナ)、そして京都芸術大学の産学福連携によって実現した。目指すのは、建築現場の仮囲いを「街に楽しさと豊かさを生み出すメディア」として再定義すること。学生たちは授業の一環として、デザインの力で街の景観に新たな価値をもたらすことに挑戦する。
稲継工務店の山中拓哉代表は、「建築が暮らしをつくり、未来をつくり、笑顔を生み出す、誇り高い仕事だと心から感じています」と語る。その想いを形にするべく、街と建築現場の唯一の接点である仮囲いに注目したという。
一方、ノーサイドSTUDIOの高木康弘代表は、「彼らに仕事を作りたい」という想いから、重度の身体障がい者によるアート活動を2020年からスタート。試行錯誤の末、アート展での受賞やグッズ制作にまで発展させた。今回のプロジェクトを通じて、障がいのあるアーティストたちと学生との交流が、新しい作品や価値観を生み出すことを期待している。
andnaの野村由紀代表は、「重症心身障がい者を『社会にいないもの』にせず、知ってもらい、関わり、仕事を生み出すことで誰もが豊かに共生できる社会を目指しています」と語る。このプロジェクトを通じて、障がい福祉の課題解決に楽しみながら取り組める機会を創出していく。
授業は12月から1月にかけて行われ、3月には完成した仮囲いのお披露目が予定されている。建築現場が「街の迷惑者」から「地域の人気者」へと変貌を遂げる瞬間を、多くの人々が心待ちにしているに違いない。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000139354.html