記憶の迷宮を映像で探る:ジダーノワ アリーナの個展「Fictitious」が大阪で開催
映像作家ジダーノワ アリーナの個展「Fictitious」が、2025年2月14日から3月13日まで大阪のN projectで開催される。本展では、記憶の再構築と人格の多様性をテーマにした独創的な映像作品が展示される。
ロシア出身で北海道育ちのジダーノワは、京都市立芸術大学大学院博士後期課程を修了し、現在は京都を拠点に活動している。彼女の作品は、忘却と想起、記憶の再構築に焦点を当て、独自のアニメーション技法を用いて制作されている。
本展の主要作品「いまと私、わたしともうひとり」では、忘却から再構成された仮想的人格を探求している。作家自身による語りに、記憶について話す「私」と、忘却した記憶から生まれた架空の「わたし」が交互に登場する。また、新作「Suitcase」では、4つの架空の人格がスーツケースに詰められ、旅立っていく様子が描かれる。
これらの作品は「アーカイブ・ドローイング」という技法で制作され、絵が少しずつ変容していく過程を通じて、記憶の書き換えやストーリーテリングの曖昧さを視覚的に表現している。展示では、映像作品に加え、制作過程で作られた原画やエディション作品など、約11点が公開される。
また、2月22日には関連トークイベント「想起と忘却の交差点:アートと認知心理学の境界を超えて」が開催される。ジダーノワ本人と、京都市立芸術大学准教授の堀田千絵氏が登壇し、アートと心理学の観点から記憶と人格について議論する。
記憶と人格の不思議な関係性を、独自の映像表現で紐解くジダーノワ アリーナの世界。この機会に、私たちの中に潜む多様な「自己」について考えてみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000124375.html