日経「星新一賞」第12回受賞者発表!AIも入賞、SF界に新風吹き込む
日本経済新聞社が主催する理系的発想力を問う文学賞、日経「星新一賞」の第12回受賞者が決定した。今回は一般部門とジュニア部門合わせて1,657編の応募があり、前回を263編上回る盛況ぶりを見せた。
一般部門グランプリに輝いたのは、吉野玄冬氏の「ユウェンテルナ」。アマゾンの奥地で不老の女性と出会った生物研究者の物語が、宇宙開発と人類の進化を絡めて描かれている。ジュニア部門グランプリは小林宗太氏の「将来ドック」が受賞。未来の病気や犯罪を予測する「将来ドック」を受診した主人公の葛藤を鮮やかに描いた作品だ。
注目すべきは、一般部門優秀賞(アマダ賞)にAIによる創作と認められた作品が入賞したこと。形霧燈氏の「最後の画家」が選ばれ、第9回以来2回目のAI作品入賞となった。これは、SF界におけるAIの台頭を示す象徴的な出来事といえるだろう。
日経「星新一賞」は、SF界の巨匠・星新一氏の遺志を継ぎ、2013年に創設された。形式やジャンルにとらわれない理系的な発想力、想像力を問う新しい文学賞として、科学に取り組む人々や未来を創造しようとする人々を刺激し続けている。
最終審査には、SF作家や大学教授、宇宙飛行士など多彩な顔ぶれが名を連ねた。受賞作品は日経電子版や電子書籍サイト「honto」で無料配信されており、SF愛好家はもちろん、科学技術の未来に興味を持つ読者にとっても見逃せない内容となっている。
今回の受賞作品群は、AIと人間の共存、宇宙開発、未来医療など、現代社会が直面する課題を鋭く切り取っている。日経「星新一賞」は、これからも日本のSF界に新たな風を吹き込み続けることだろう。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000590.000011115.html