鎌倉の美術館のような空間で、錆びゆく記憶を描く - タイラクルカ個展「ステン」が開催


鎌倉の現代アートギャラリー「Quadrivium Ostium(クアドリヴィウム・オスティウム)」にて、注目の若手アーティスト・タイラクルカによる個展「ステン」が2025年3月27日から4月8日まで開催される。本展では、タイラクの初めてのアメリカ滞在で得た新たな境地の作品群が一挙公開される。
「ステン」とは「錆びる」という意味を持ち、タイラクは渡米から9ヶ月が経過した今、徐々に錆びていく記憶をテーマに作品を制作した。過去の写真を見返すのではなく、記憶の中にある風景や印象深かったものを元に制作することで、曖昧になっていく記憶と特に興味深かった出来事を表現している。
展示される作品は、記憶のイメージに流れる「もうひとつの時間」を描いた絵画だ。キャンバスの中で時空は自在に歪み、強く残るイメージが鮮やかに描かれている。意図せずしてシュルレアリスム的な世界が展開される一方で、タイラク独自の野生に近いしなやかな力強さとウィットに富んだ瑞々しい感性は健在だ。
会期中の3月29日には、タイラクによるトークショーと作品鑑賞会、そしてレセプションパーティーが開催される。予約不要・無料で参加できるこのイベントは、アーティストと直接交流できる貴重な機会となるだろう。
「美術館のような空間に住まう」をテーマに設計されたQuadrivium Ostiumは、ヨーロッパのアンティーク家具や民藝家具を設えた空間に、現代アート作品や古美術を展示販売している。その独特な雰囲気の中で、タイラクの新たな境地の作品を堪能できる。
アメリカ滞在という清冽な体験から生まれた強烈なイメージの塊。それがどのように作品として描き取られているのか、ぜひ足を運んで確かめてみてはいかがだろうか。鎌倉の静かな環境の中で、現代アートの新しい息吹を感じられる貴重な機会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000127951.html