VR技術の進化により、演劇の世界にも新たな可能性が広がっている。その最前線を体感できるイベント「劇王Virtual2025」が、5月2日(金)と3日(土)に開催される。一般社団法人メタシアターが主催するこの大会は、VR空間上で20分間の短編演劇を競い合うという、これまでにない試みだ。

大会のルールは、俳優3名まで、上演時間20分以内、観客の投票により勝敗が決定するという、リアルの「劇王」と同じ形式を踏襲している。しかし、舞台はVRSNS「VRChat」内に設けられた特設会場だ。現実の照明や舞台を緻密に再現した空間で、アバター姿の役者たちが熱演を繰り広げる。

今回のエントリー数は総勢15団体。5月2日の予選では5つのブロックに分かれて競い合い、各ブロックから1団体ずつ、計5組が翌日の決勝へと駒を進める。決勝戦では、現役で活躍する演出家や劇作家が審査員として参加し、作品への講評も行われる予定だ。

参加団体の顔ぶれも多彩だ。VR演劇に特化した団体から、リアルの舞台経験者まで、様々なバックグラウンドを持つクリエイターたちが集結している。例えば「ましろ小劇場」は、バーチャル空間での演劇をリアルと並ぶ選択肢として定着させることを目指して活動している団体だ。一方、「イチ_」は徳島市立高校演劇部の卒業生を中心に結成されたユニットで、VR演劇は今回が初挑戦となる。

大会の模様は、一般社団法人メタシアターのYouTubeチャンネルで配信される予定だ。また、決勝大会はVRChat内で視聴可能なYouTubeチャンネル「VRC放送局」にて、3時間の特別番組として放送される。

「劇王Virtual2025」は、VR技術と演劇の融合がもたらす新たな表現の可能性を探る、画期的な試みと言えるだろう。リアルとバーチャルの境界を越えて、演劇の未来を切り拓く挑戦者たちの熱演に、是非注目してほしい。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000140941.html