「も」を何百回書く!? 日本のアール・ブリュット45人展、函館で開催


日本財団DIVERSITY IN THE ARTSと北海道立函館美術館は、2025年7月12日から9月7日まで、「つくる冒険 日本のアール・ブリュット45人 ―たとえば、『も』を何百回と書く。」展を開催する。本展では、障害のある人や独学のつくり手たちによる約450点の作品が一堂に会する。
アール・ブリュットとは、既存の文化の枠組みに収まらない芸術のことを指す。1940年代にフランスの画家ジャン・デュビュッフェが提唱した概念で、日本語では「生(なま)の芸術」と訳される。本展では、2010年にパリで注目を集めた「アール・ブリュット・ジャポネ展」の出展作品を中心に、日本のアール・ブリュットの魅力を存分に味わえる。
展示は5つのセクションで構成される。「色と形をおいかけて」では、つくり手のひらめきや手の動きの喜びが感じられる作品を紹介。「繰り返しのたび」では、同じモチーフを何度も描く執念深さや、そこに見出されるやすらぎを探る。「冒険にでる理由」では、つくり手たちの制作風景を映像で紹介し、生きることとつくることの密接な関係性を浮き彫りにする。
「社会の密林へ」のセクションでは、路上で拾ったものを使ったオブジェや、乗り物の精巧な再現など、社会との交わりを感じさせる作品が並ぶ。最後の「心の最果てへ」では、激しい感情表現や過去の記憶を掘り起こす作品など、つくり手の内面に迫る作品群を展示する。
本展の見どころの一つは、北海道出身の4名のつくり手による作品の里帰り。大梶公子、畑中亜未、西本政敏、平瀬敏裕の作品が、故郷の地で公開される。また、函館展特別展示として、現在の道南地域のアール・ブリュット作品も紹介される。
会場となる北海道立函館美術館は、1986年に開館した美術館で、「道南ゆかりの美術」「書と東洋美術」「文字と記号に関わる現代美術」をテーマに活動を続けている。五稜郭公園に隣接する立地も魅力の一つだ。
観覧料は一般920円、高大生610円、小中生300円(いずれも団体割引あり)。リピーター割引や親子割引などのお得な料金設定もある。障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料となる。
既存の芸術の枠にとらわれない、自由で独創的な表現の世界。それぞれのつくり手が繰り広げる「つくる冒険」の旅に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000038712.html