フィリップス・オークション、香港で70%が初出品の注目アート作品を公開


フィリップス・オークションが、5月27日に香港で開催する「モダン&コンテンポラリーアート・イブニング&デイセール」の出品作品を発表した。今回のセールでは、出品作の70%がオークション初登場となる「フレッシュ・トゥ・マーケット」な作品群が注目を集めている。
イブニングセールのハイライトは、ジョージ・コンドの《Blues in F》だ。2020年のパンデミック下に制作されたこの作品は、孤独や疎外感といったテーマを内包しながら、普遍的な人間の感情に深く響く。また、アニッシュ・カプーアの《Untitled (Organic Green / Apple Red)》も見逃せない。磨き上げられたステンレススチールに深みのあるラッカーを施した本作は、カプーアの代表的な凹面ミラーシリーズの中でも際立つ一点だ。
西洋コンテンポラリーアート作品では、ハーナン・バスの《Case Study (Harvey, Palmist/glove collector)》が初出品となる。奇矯さとコンセプチュアル・アートの境界を曖昧にした本作は、個人的な執着が美学的な主張へと昇華される過程を描いている。ラシード・ジョンソンの《Untitled Escape Collage》も初登場で、「人種」「アイデンティティ」「歴史」といったテーマに迫る。
日本人アーティストの作品も注目だ。加藤泉の《Untitled》は、等身大に近い木彫作品で、原初的な生命力を感じさせる。草間彌生の《Red Petals》は、「花」というモチーフを中心に据えた作品で、宇宙における生命と死の循環を象徴している。塩田千春の《State of Being (Dress)》は、「記憶」「アイデンティティ」、そして人と人とのつながりをめぐる目に見えない糸をテーマにした感動的なインスタレーション作品だ。
本オークションは、5月27日午後4時(香港時間)より開催される。展示は5月16日から27日まで、香港九龍オースティンロード西8号、西九文化区 WKCDAタワー G/Fにて行われる。アートマーケットの最新トレンドを反映した本セールは、コレクターや美術愛好家にとって見逃せない機会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000132287.html