大阪経済大学の情報社会学部3年生、渡邉要さんが「日本学生BtoB新聞広告大賞」で銅賞を受賞し、注目を集めている。全国から寄せられた158点の応募作品の中で、渡邉さんの作品は「言葉を使った企みが新鮮」と高く評価された。

このコンテストは、日本BtoB広告協会と日刊工業新聞社が共催し、未来のクリエイター育成を目的として2016年に創設された。大学生や専門学校生が、実在の企業が提示する課題に対し、新聞1ページ分の広告スペースで表現力を競う。

渡邉さんの受賞作品は、アルミニウム総合メーカー・UACJをテーマにしたもので、辞書の紙面を模した独創的な構成が特徴だ。「アルミ」という言葉を若者言葉として定義し、素材の魅力を感覚的に伝える言葉の工夫と視覚的な仕掛けが込められている。

この作品は、「広告デザイン応用」の授業で取り組まれた課題だ。工業高校時代のアルミ鋳造実習経験と、日常的に使われる若者言葉の文化からインスピレーションを得て、「辞書」という形式に落とし込んだという。

渡邉さんは、「アイデアを思いつくだけでなく、いかに"伝わるかたち"に仕上げるかが広告の難しさであり、面白さ」と振り返る。構成、レイアウト、言葉選びのすべてにおいて、見る人の注意を引き、意味を考えさせることを主眼に制作したという。

今後は広告業界への就職を目指す渡邉さん。「美大出身でなくとも、マーケティングとクリエイティブの両方に通じた広告人として価値を生み出していきたい」と、さらなる挑戦への意欲を語っている。

この受賞は、大学教育における実践的な広告制作の取り組みの成果を示すとともに、学生の創造力と表現力が業界で認められた証といえるだろう。今後、渡邉さんのような新しい視点を持つクリエイターの活躍が、広告業界に新風を吹き込むことが期待される。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000159882.html