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第54回 高橋源一郎「小説でもどうぞ」 課題「才能」結果と講評 

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小説
小説でもどうぞ
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結果発表
イラスト:福士陽香
■選考委員/高橋源一郎

1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』でデビュー。
小説、翻訳、評論など著書多数。日本のポストモダン文学を代表する作家。

募集中のテーマ

■第57回 [ 裏切り ] 
4/1~4/30(23:59)

■第58回 [ 予感 ] 
5/1~5/31(23:59)

第54回結果発表
課 題

才能

 今回のテーマは「才能」、となると、どうしても、「小説」を書く「才能」が頭に浮かびますよね。いろんな意味で書くことがテーマだったかもしれません。でも、そういう時こそ「才能」の出番……なのかな。

最優秀賞

 最優秀作は大河かつみさんの「飼い殺し」。「甲子園常連校」に入学した野球部員が母に送った手紙で構成されている。「僕」は野球漬けの日々だが、いつも補欠だし、監督は名前すら覚えてくれない。時が流れ、日が過ぎても、レギュラーの座は遠く、新しく有望な生徒が入部してくる。同期の友人はやめてしまった。それでも「僕」は頑張り続ける。やがて「僕」に「大会でグランドに立つこと」が出来る日がやって来た。それは「グラウンドキーパーと白線引き」である。そして……シュールで残酷な終わりだった。


 昂機さんの「伸びる。」は、たいへんおもしろいお話だ。主人公の「私」は棒高跳びが得意。跳ぶときの様子をことばで紹介している。「ぽおん、もんぬり、くうにゃり、ぼすん」。いいよね。これだけで最優秀かと思ったくらい。そんな「私」に動物園から依頼がある。なぜか首がどんどん延びているキリンに会ってほしいというのだ。というわけで、「私」はキリンに会いに行く。もちろん、棒高跳びで空中で会うのである。いやもう最高に素敵な設定だった。けれど、最後のオチがいまいち。棒高跳びのバーを跳びそこねた?


 吉田猫さんの「こっち見て笑うな!」は、「僕」が「君」に文句を言うお話だ。というのも「君」はいつも「前の暗闇に誰かがいるのが見える」とか「そこに誰か立ってる」とか、ふつうの人間には見えないものが見える、といっているのだ。「僕」は「君」に、そんな「不思議な才能」があるといっていたけど、ほんとうは……とここでようやく本音をしゃべるのである。気持ち悪いこといわない方がいいよ、と。その時、「僕」は気づく。様子がおかしいことに。なぜなら……このオチ、いいけど、気づかれやすいかも。


 ササキカズトさんの「光る風のサイノウン」はちょっと変わったお話だ。高校に入学して、何か部活をしたいと思っている「僕」が、斜面の上に座っていろいろ考えていたところ、突然、大きな虫が飛んで来た。慌てて反射的に体をひねり、前転をしながら転げ落ち、ジャンプしてグラウンドに着地。なんという妙技。するとそれを見ていた様々な部の連中が、ぜひ我々の部にと勧誘に殺到するのである。びっくりした「僕」の意識が遠のき、目の前が真っ暗に。気づくと「僕」は……おもしろいけど、そのオチには無理があるか。


 ヨコタさんの「とっておきの才能」は、ボクが神様の夢を見るところから始まる。「いつも良い子にしているから、君に一つだけ才能を与えよう。どんな才能がほしいかね」と神様に言われたボクは「とっておきの才能」がいいなと思う。まず、運動ができるのがいいなと考えたところ、あこがれのスポーツ選手の引退が発表される。スポーツの才能も限界があるのだ。そして次に欲しいと思ったのは、プログラミングが上手になる才能……と次々、違う才能を願うのだが、そのたびに挫折。最後に気づくのは……オチがありきたりだった。残念。


 ナラネコさんの「文才」はタイトル通りの内容。作家の「町村圭太郎」はサイン会で「初老の女性」から話しかけられる。女性の息子は「四十歳になってもずっと引きこもって小説ばかり書いている」というのだ。その原因が、町村が選考委員をしていた「公募の短編小説のコンテスト」で佳作をとったからなのだ。その時「文才がある」とほめたのがいけなかった(?)のである。だから、「町村」は女性に頼まれ、同時に責任も感じ、その息子を文学の道から足を洗わせるべく対面するのである。その結果……オチが惜しい。


 渋川九里さんの「落とし物」には、道をひたすら歩き回って、誰かが落とすものを拾って集めている男が出てくる。みんなが「コトリ」と音を立てて落とす。なにを? 小さな「石」というか「かけら」だ。形も色もバラバラである。男が石を集めているのに気づいているのは「幼稚園児くらいの小さな女の子」だけ。そして、男は、その小さな女の子に、自分が拾っているものが何なのかを説明するのである。なんとなくわかりますよね。胸にスッとおさまるいいお話だが、石の正体が若干あっさりし過ぎていたかも、です。


 瀬島純樹さんの「なんだか変だ」の主人公の「自分」は、会社を解雇され、仕事を探すが不採用ばかり。ようやく、ある会社に雇ってもらえたが、配属されたのは、おかしな部署だった。そこには、自分とベテランの上司のふたりしかいないのである。しかもその上司は「一言もしゃべらない」。いったいどういうことなのか。「自分」は「パソコンに送られてくる仕事を黙々とこな」すだけだ。そして一年たったある日、本社の人事部から呼び出された「自分」は意外な真実を知るのだ……うーん、オチがすっきりしないよね。

応募要項
課 題

■第57回 [ 裏切り ]

 いやですね、「裏切り」は。でもそう感じる時はたくさんあります。自分が誰かを「裏切る」、誰かに「裏切られる」。そういうつもりはなくても、結果としてそう思えてくる。誰にでもそんな経験はありそう。

■第58回 [ 予感 ]

 誰でも予感がするときはあるだろう。いい予感。悪い予感。どちらかわからないけどそれでも予感。誰かを見たとき、なにかを見つけたとき、なんでもないのにただ突然に、「予感」はやって来ます。あなたのはどんな?

締 切

■第57回 [ 裏切り ] 
4/1~4/30(23:59)
■第58回 [ 予感 ] 
5/1~5/31(23:59)

応募規定

本文2000字程度。縦書き。
(テキストデータは横書きでかまいません)
書式は自由ですが、A4判40字×30行を推奨します。

応募方法

WEB応募に限ります。
応募専用ページにアクセスし、原稿をアップロ―ド。
(ファイル名は「第○回_作品名_作者名」とし、ファイル名に上記以外の記号類、および全角の記号は使用不可。_の記号は半角に)
作品の1行目にタイトル、2行目に氏名(ペンネームを使うときはペンネーム)、3行目を空けて4行目から本文をお書きください。
本文以外の字数は規定枚数(字数)にカウントしません。

Wordの方は作品にノンブル(ページ数)をふってください。
応募点数3編以内。作品の返却は不可。


Wordで書かれる方は、40字×30行を推奨します。
ご自分で設定してもかまいませんが、こちらからもフォーマットがダウンロードできます。

応募条件

作品は未発表オリジナル作品に限ります。
入賞作品の著作権は公募ガイド社に帰属します。
AIを使用して書いた作品はご遠慮ください。
入選作品は趣旨を変えない範囲で加筆修正することがあります。
応募者には公募ガイド社から公募やイベントに関する情報をお知らせすることがあります。

発 表

第57回 2026/7/1、Koubo上
第58回 2026/8/1、Koubo上

最優秀賞1編=Amazonギフト券1万円分
佳作7編=記念品
選外佳作=WEB掲載
※最優秀賞が複数あった場合は按分とします。
※発表月の翌月初旬頃に記念品を発送いたします。
配送の遅れ等により時期が前後する場合がございます。

お問い合わせ先

ten@koubo.co.jp


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受講料 5,500円
https://school.koubo.co.jp/news/information/entry-8069/