あなたとよむ短歌 テーマ詠「インターネット」佳作・入選 結果発表


それでは、佳作5首のご紹介です!
会ったことない人だけど結婚をしたい死ぬまで会わなくてよい
(泰源さん)
文字だけでなく、画像、音声、VRなどでやりとりできるこの時代では、会わずとも心を通わせられます。運命の相手と会わなくてもいい時代なのかも。「会わなくてよい」というさっぱりした結句が好きです
ADSLみたいな片想いして半年かけて聞いたアドレス
(小町川えりさん)
今と比べたら、あまりにもゆっくり、少しずつしか動かないADSL回線の時代。片想いの比喩に使われる点に驚きと納得感がありました。
丁寧な暮らしをしているあの人もルーター蹴って直しててくれ
(華盛頓さん)
「あの人も」も「も」からして、この短歌の主体もルーターを蹴って直したことのあるタイプなのでしょう。もしかしたら蹴った直後なのかもしれませんね。
昔なら神話になっていたことが今はまとめサイトで終わる
(華盛頓さん)
人々が注目し、騒ぎ、批判したり英雄視したりと話題にする出来事。それが神話になった大昔と、まとめサイトになる現在。視点と発想がおもしろい一首です。
誘われて断りたいが誘われずネットニュースを読み直してる
(佐藤橙さん)
「特に行きたくないけれど一旦は誘われておきたい」という人間らしい心理。「読み直している」という無駄な行動で「心ここに在らず」を表現しています。
つづいて、入選10首のご紹介です!
アイコンを猫に変えたら世界中すべてが私を撫でに来るバグ
(野村齋藤さん)
名も知らぬ二十歳前後の人間のモーニングルーティンを知る夜
(りきながさん)
本名も顔も知らないあの人の実家の猫の柄を知ってる
(嘉賀レキさん)
時差もなく君の気持ちがわかるけどデジタル文字じゃハグが出来ない
(君島終理さん)
インターネットも死語になっていってミームも石油になるのだろう
(小出水賢一郎さん)
たとえ授業中だって通知音鳴れば裸足で駆けつけるのに
(田沼るるさん)
携帯をポチリとすればキルギスの馬五十枚アマゾンで来る
(クッキーママさん)
ウィキペディア読みふけりたる一時間 他人の生を生きた気がする
(華盛頓さん)
まだブログ書いているのね焼きそばが好きなところも昔のままで
(水面叩さん)
数秒で消えたポストの内容は忘れもしない君の写真だ
(繭中舞百合さん)