谷川俊太郎の魂が宿る写真詩集『写真』が12年ぶりに復活!詩人の目を通して見る世界とは
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昨年11月に92歳で逝去した日本を代表する詩人、谷川俊太郎。その1周忌を前に、長らく品切れだった彼唯一の写真詩集『写真』が12年ぶりに重版された。株式会社晶文社から発売されるこの作品は、谷川自身が「ある種の生活史みたいなもの」と語るほど、詩人の人生と深く結びついている。
『写真』は、52枚の写真とそれに添えられたエピグラム(短い警句的な詩)で構成されている。谷川が撮影した日常の一コマ一コマに、彼独特の言葉が寄り添う。それは単なる写真集ではなく、谷川の目を通して世界を見る体験そのものだ。
本書には、谷川の写真に対する深い洞察が垣間見える。「ここに写っている人々、撮った私、それぞれの時間は現実のうちにあるが、同時に想像力のうちにしかないとも言えるのではないか?」という一節からは、写真という媒体を通じて現実と想像の境界を探る詩人の姿勢が伝わってくる。
写真評論家の飯沢耕太郎による解説も収録されており、谷川の写真論が「もっと広がりのある普遍的な『写真論』にまで行き着くのではないか」という興味深い指摘がなされている。これは、谷川の写真に対する姿勢が、単に個人的な趣味の域を超えて、写真という表現媒体そのものに対する深い考察を含んでいることを示唆している。
谷川俊太郎は1931年東京生まれ。1952年に処女詩集『二十億光年の孤独』で文壇デビューを果たして以来、詩集、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など多岐にわたる分野で活躍し、日本レコード大賞作詞賞や読売文学賞など数々の賞を受賞してきた。その幅広い活動の中で、この『写真』は谷川にとって唯一の写真詩集という特別な位置づけにある。
A6変型上製、144ページの本書は、定価2,420円(税込)。谷川俊太郎の詩の世界に親しんできた人はもちろん、写真や現代詩に興味がある人にとっても、新たな視点を提供してくれる一冊となるだろう。詩人の目を通して見る世界の断片が、読者の想像力を刺激し、新たな発見をもたらすかもしれない。
谷川俊太郎の遺した言葉と写真が織りなす『写真』。それは単なる回顧録ではなく、現在を生きる我々に向けた、時代を超えたメッセージなのかもしれない。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000123287.html