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「遠い窓」から覗く5人の新進作家たち:東京都写真美術館で30周年記念展が開催

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報道発表
スクリプカリウ落合安奈《ひ か り の う つ わ》2025年 作家蔵 ©Ana Scripcariu-Ochiai(プレスリリースより)

東京都写真美術館が総合開館30周年を迎え、注目の展覧会「遠い窓へ 日本の新進作家 vol. 22」を2025年9月30日から2026年1月7日まで開催する。この展覧会は、写真や映像の分野で将来性のある新進作家を発掘し、その創造活動を紹介することを目的としている。

今回の展示では、5名の新進作家が「窓」をテーマに、人と時代の流れ、場所、風習といった要素から生まれる小さな物語に焦点を当てた作品を披露する。寺田健人、スクリプカリウ落合安奈、甫木元空、岡ともみ、呉夏枝という多様なバックグラウンドを持つ作家たちが、写真や映像を軸に、インスタレーション、立体、音、言葉などを駆使して独自の世界観を表現する。

展示作品は、まるで「窓」のように機能し、鑑賞者を遠く離れた時間や場所、風景、そして記憶へと導く。例えば、寺田健人は社会的枠組みやジェンダーを問い直すインスタレーションを、スクリプカリウ落合安奈は日本とルーマニアという2つの母国を背景に土地と人との結びつきを探る作品を展開する。

また、甫木元空は家族の生と死を記録することで観る者と記憶を共有し、岡ともみは日本各地の死にまつわる風習を古時計に閉じ込めた作品を展示。呉夏枝はオーストラリア移民の歴史と個々の記憶を写し込んだ新作を日本初公開する。

本展は単なる写真展にとどまらず、現代社会における共生や対話について考えるきっかけを提供する。関連イベントとして、出品作家とゲストによるトークセッション、甫木元空による映画上映会、担当学芸員によるギャラリートークなども予定されている。

多様性が重視される現代社会において、この展覧会は異なる価値観を持つ人々とのコミュニケーションや共生について、芸術を通じて深く考察する機会となるだろう。写真や映像を通じて「遠い窓」から覗く新たな世界観を、ぜひ体験してほしい。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000899.000038211.html