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幻想と植物学が織りなす奇跡の物語!木内昇『奇のくに風土記』が泉鏡花文学賞を受賞

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報道発表
『奇のくに風土記』木内昇著 書影(プレスリリースより)

文学界に新たな風が吹き込んだ。木内昇氏の『奇のくに風土記』が、第53回泉鏡花文学賞を受賞した。この作品は、江戸時代の本草学者をモデルに描かれた時代幻想譚で、読者を魅了する不思議な世界観が高く評価された。

泉鏡花文学賞は、金沢市が主催する由緒ある文学賞だ。全国に先駆けて始まった地方自治体主催の賞として知られ、泉鏡花の文学世界に通じるロマンチックな作品を対象としている。今回の受賞は、木内氏にとって「望外の喜び」だという。

『奇のくに風土記』は、紀州藩士の息子・十兵衛(後の本草学者・畔田翠山)を主人公とする。幼い頃から草花と自在に語らえる一方で、人とのコミュニケーションが苦手な十兵衛。ある日、山中で天狗と遭遇したことをきっかけに、不思議な出来事が次々と起こり始める。

木内氏は受賞に際し、「畔田翠山の目を通して本草(植物)を見詰めようと試みた執筆過程で、自分自身も救われていったような気がしています」とコメント。この言葉からも、作品に込められた深い思いが伝わってくる。

本作は、実在の本草学者をモデルにしながらも、幻想的な要素を巧みに織り交ぜている。生き物や家族、恩師との温かな交感と成長を描く物語は、読者の心に深く響くことだろう。

『奇のくに風土記』は2025年5月29日に刊行予定。四六判上製、328頁、定価2200円(税込)。電子書籍版も用意されている。植物学と幻想が織りなす奇跡の物語に、今すぐ触れてみてはいかがだろうか。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000010667.html