坂本龍一のピアノが自然に還る—福島・広野町で実験開始


坂本龍一の知的遺産を引き継ぐプロジェクト
株式会社セイタロウデザイン代表の山﨑晴太郎は、2023年3月に亡くなった音楽家・坂本龍一氏の「ピアノを自然に還す実験-2」を福島県双葉郡広野町で開始します。本プロジェクトは、坂本氏が追求した社会彫刻の実践であり、自然と文明の共存に関する実験です。この取り組みを通じて、坂本氏の知的遺産の共有を目指すとともに、福島の復興や自然との共生、時間と人間の在り方について深く考えるきっかけになることを目指しています。
実験の概要と開催概要
「ピアノを自然に還す実験-2」は2026年3月11日(水)13:00から、広野町文化交流施設「ひろの未来館」(〒979-0403 福島県双葉郡広野町大字下浅見川字築地73番地1)にて開始されます。坂本龍一氏は2014年、ハワイで出会った古いピアノをニューヨークの自宅庭に置き、自然に朽ちていく過程を観察する「ピアノを自然に還す実験」を始めていました。その実験は現在も続けられています。東日本大震災から15年となる2026年3月11日に、2台目となる本実験を公開することで、社会的・公共的に活用し、未来の文化発展に寄与することを目指しています。
文明と自然の共生を問い直すアート実験
本プロジェクトでは、坂本龍一の最後のアルバム「12」の制作に用いた1960年代製のSTEINWAY&SONS Z114(チッペンデール)を自然の中に置き、その変化を全世界と共有します。山﨑晴太郎は「美しく磨き上げられ、平均律で調律されていたピアノは、大自然に還っていくなかで調律から解き放たれ、広野町の自然による唯一無二の調律を獲得していく。それは決して壊れていくことではなく、文明と自然の間で生まれる新しい美の生成過程」だとコメントしています。ピアノが自然に還るまでの膨大な時間に寄り添いながら、人間と自然との関係を再考する取り組みとなります。
坂本龍一の遺産を共有する「sakamotocommon」
本実験の運営は株式会社セイタロウデザインと一般社団法人坂本図書(sakamotocommon)が行い、福島県広野町の協力を得ています。「sakamotocommon」とは、坂本龍一が遺したものを共有化する試みであり、その知的・物質的遺産のコモン化を目指しています。坂本龍一は完成した作品よりもプロセスが面白いと常に語っていたため、遺されたものは美術館や博物館に「収蔵」されるべきではなく、坂本自身が死してもなお新たに耕され、更新されていくべきものと考えられています。特設サイト(https://piano-nature2.com)も公開されており、今後は広野町や学生との共同プロジェクトやイベント展開が予定されています。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000004862.html