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せきしろの自由律俳句 第109回「古」結果発表 (2/3)

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結果発表

 

結果発表

第 109回 課題: 古

 

 

佳作

古いと言われた曲と今朝も通学
 (東京都 春のキムチ鍋 19歳)

挟まったままのメモごと買う古本
 (岡山県 野のはな 13歳)

母のセーター私と同い年
 (千葉県 岡田一真 31歳)

祖母が今いる古い記憶を聞いている
 (福岡県 雨 36歳)

色褪せた背表紙触れて定食を待つ
 (岡山県 白とり貝 36歳)

なんの思い入れも無くただ汚いだけ
 (大阪府 石川聡 44歳)

あえて本館を予約する
 (岡山県 山下 絵美 45歳)

電池を換えれば動くばすだと兄
 (和歌山県 中村マコト 52歳)

アナログのまま老いている
 (大阪府 なでしこ 84歳)

殿様の家に座る
 (岩手県 セクシー大権現 15歳)

見栄をすて古代人になる
 (静岡県 春爺 84歳)

切符の穴からあの頃を覗く
 (三重県 田中正雄 38歳)

タイムカプセルの中でひっそり死んでいた春
 (長野県 野村齋藤 23歳)

古くて由来を知らぬ人形
 (埼玉県 大野美波 38歳)

新しい古着に袖を通す
 (神奈川県 Akiki 60歳)

なんですかそれと後輩に聞き返される
 (千葉県 みくり 28歳)

朽ちゆくことを許して炭鉱町静か
 (千葉県 xissa 60歳)

本を売って本を買う
 (大阪府 おさんぽさん 61歳)

十年前のコートの襟を立てる
 (北海道 三歩 73歳)

古いバス停ぽつり挟んで日本海
 (愛知県 cotta 50歳)

回収を待つ古箪笥にも雪
 (秋田県 栗平紗江 38歳)

 

今月の総評

古いと言われた曲と今朝も通学
通学の時に聴いた曲は途中多少ブランクがあったとしてもいつまでも聴くもので、聴けばそこに古さはなく新鮮なあの頃になる。

挟まったままのメモごと買う古本
古本は時としてちょっとしたタイムカプセルになる。それはメモであったり、レシートであったり、カード型のカレンダーだったりする。

母のセーター私と同い年
写真の中にある昔のセーターが無性に欲しくなる時がある。

色褪せた背表紙触れて定食を待つ
真っ先にコンビニで売っている分厚いコミックが頭に浮かぶ。

なんの思い入れも無くただ汚いだけ
この手の古さを詩歌にするセンスが素晴らしい。

あえて本館を予約する
あえてレトロな方を選択する。関係ないが本館かと思って歩いていたらいつの間にか新館になっていることがある。もちろんその逆もある。

電池を換えれば動くばすだと兄
なんでも知っている年上に憧れたものだ。

アナログのまま老いている
時代をアナログとデジタルで大きく分けたとしたなら、私はその過渡期にいたのでどちらも知っているが、たとえば父親はそうではない。そんなことを改めて教えてくれた句。

殿様の家に座る
お城に行ったのだろう。古さの表現が絶妙。

見栄をすて古代人になる
年々憧れるスタイルだ。

切符の穴からあの頃を覗く
小さな穴の向こうはたくさんの思い出。

タイムカプセルの中でひっそり死んでいた春
例えば桜の花びら。静かに古く。

古くて由来を知らぬ人形
実家にもそんな置物がある。

新しい古着に袖を通す
年代が新しいのか、それともコンディションが良いということか。あるいは買ったばかりの古着ということか。様々な想像ができて楽しい。

 

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