縄文石棒377点が国重要文化財に!飛騨市宮川町で30年ぶりの快挙


縄文時代の「石棒」が国重要文化財に指定
岐阜県飛騨市の島遺跡および塩屋金清神社遺跡から出土した石棒や縄文土器など377点が、文化審議会により国の重要文化財(美術工芸品)に指定するよう文部科学大臣に答申されました。飛騨市では国重要文化財(美術工芸品)としては「岐阜県中野山越遺跡出土品」(平成8年)に次いで2件目になります。
「石棒の聖地」としての学術的価値
飛騨市宮川町に位置する島遺跡・塩屋金清神社遺跡は、縄文時代の代表的な祭祀遺物である「石棒」の製作痕跡を鮮明に残す稀有な遺跡です。約4,500年前(中期)から3,500年前(後期・晩期)にかけての石棒製作のプロセスが、未成品や工具類とともに一括して出土しました。素材となる溶結凝灰岩(塩屋石)の産出地が特定されている点に加え、石棒の形態が大型から小型へと変遷する過程を体系的に示す「基準資料」としての価値が極めて高いと評価されました。
石棒製作工程の完全な解明
指定されるのは本指定284点(石棒171、工具類113)と附93点(剥片24、原石11、縄文土器・土製品53、その他の石器5)の合計377点です。「剥離(はくり)」「敲打(こうだ)」「研磨(けんま)」という製作段階ごとの資料が揃っており、当時の高度な加工技術や、火を用いた特殊な工程の存在が明らかになりました。島遺跡では直径10㎝以上の大型石棒の製作過程が、塩屋金清神社遺跡では厚さ5㎝前後の小型石棒の多様な製作方法が確認されています。
古代日本の広域な文化交流の証し
北陸、信州、関東、そして西日本系の特徴を持つ縄文土器が共に出土しており、飛騨が古くから日本各地を結ぶ文化交流の十字路であったことが証明されました。島遺跡では北陸の影響を受けた縄文土器が最も多く、時代が進むにつれて信州や関東の影響がある土器が増えています。塩屋金清神社遺跡でも、中期から後期へと進むにつれ、北陸系と関東系に加え西日本系の縄文土器が加わるなど、広域的な交流があったことが裏付けられています。
飛騨市で実際に石棒を見られる企画展示
飛騨市では現在、2つの企画展示を開催中です。街なかポケットミュージアム「ポケット石棒展」は5月31日まで、飛騨古川さくら物産館蔵ホール内で入館無料で開催されています。飛騨市美術館の「もうひとつの石棒展」は4月22日までの開催で、展示品は全て国重要文化財に指定されるものです。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000194.000120394.html