視覚障害者が映像監督に、生成AIでミュージックビデオ『CROWN(Water Remix)』公開


視覚に依存しない新たな映像表現『The Unseen Beauty』プロジェクト始動
障害当事者の個性発掘と社会参加を推進する株式会社ePARAは、視覚に依存しない知覚や感覚を起点とした映像表現プロジェクト『The Unseen Beauty』の作品を公開した。視覚障害者(全盲)4名が映像監督となり、音から広がるイメージを生成AIを通じてミュージックビデオとして表現するという、これまでにない試みである。
初作品はヒューマンビートボックスクルーSARUKANIの楽曲『CROWN』にアレンジを加えたオリジナル楽曲『CROWN(Water Remix)』のミュージックビデオ。2024年4月8日(水)からSARUKANIの公式YouTubeとThe Unseen Beauty特設サイトで全世界に公開されている。
音から立ち上がるイメージを映像化する制作プロセス
本プロジェクトは「視覚に依存せず、知覚や感覚を起点として映像を制作することによって、新たなクリエイティビティが発揮されるのでは」という仮説から始動した。映像制作では、視覚障害者4名がSARUKANIの楽曲『CROWN』を解釈し、ストーリーラインを構築。生成AIを活用して映像化し、映像の世界観やストーリーに合わせて楽曲をアレンジすることで、音と映像が往復する作品として完成させた。
こうして生まれた作品は、景色や物語を再現するのではなく、音の解釈から立ち上るイメージをもとに構成された表現となっている。視点の違いそのものが表現として現れており、音や記憶、経験など、さまざまな知覚や感性から生まれるイメージが、新たなクリエイティビティの源泉となった。
多様な分野で活躍する4名の映像監督が映像化
映像監督を務めたのは、eスポーツプレイヤーの北村直也氏、俳優・劇作家の関場理生氏、声楽・音楽活動を行う西脇有希氏、海外広報・クリエイターの真しろ氏である。生成AIクリエイティブを担当する宮城明弘氏は「彼らが本当に頭で思い描いているものに近づけたいなというのも思っている」と述べており、参加者一人ひとりの感性やイメージに寄り添いながら制作が進められた。
脚本家・映像監督の廣田純平氏は「音を言語化する表現がすごく繊細だと感じた」とコメントしており、参加者の多様な感性や知覚から生まれる表現が内包された作品として完成した。真しろ氏は「全員が違うカメラを持っている」と述べ、それぞれの感覚や視点の違いを起点に制作を行ったという。
ePARAの取り組みと『The Unseen Beauty』の背景
ePARAはeスポーツを通じて障害の有無に関わらず誰もが自分らしく挑戦し、社会とつながる機会を創出してきた。同社は「人が世界を感じ取る方法は多様であり、さまざまな知覚や感性から表現が生まれうることを実感してきた」と述べており、こうした考えを背景に本プロジェクトが発足した。
ePARAは「障害のある人の能力が発揮される機会を創出し、一人の挑戦を次の挑戦へとつなぐ『挑戦の連鎖(コンボ)』を生み出すことで、より多くの人が自分の意思で自らの可能性を広げていくことができる社会の実現を目指している」としており、本プロジェクトを通じて、視覚に依存しない感性を起点としたクリエイティビティが、新たな価値として社会に広がっていくことを願っている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000056567.html