コンテンツ業界のIP戦略が変わる、AIと知財でビジネス転換


日本のIPを世界に活かす、AIデータ社がフォーラム開催
AIデータ株式会社は3月11日、コンテンツ業界を対象とした「AIエージェント×AXフォーラム ~コンテンツ~」を開催した。政府が戦略的に推進する重要17分野の一つであるコンテンツ業界におけるAI活用とDX推進をテーマに、複数の企業から登壇者を招いた。
IPを「国家資産」に変える2レイヤー戦略
AIデータ社代表取締役社長の佐々木隆仁は、日本のコンテンツ産業が世界有数のIP創出力を持ちながら、収益最大化の仕組みが不足している現状を指摘。ヒット作品は生まれるものの、制作と収益、データと知財が分断されていることで価値を十分に回収できていないと分析した。その解決策として、AI孔明 on IDXとTokkyo.Aiを組み合わせた「2レイヤー戦略」を提示。勝てるIPを選定する上位レイヤーと、IP価値を最大化する下位レイヤーにより、IPを「国家資産」として回し切る構想を示し、コンテンツ産業を「勘と経験」から「データと知財で勝つ知能産業」へ転換する必要性を強調した。
ロケーションベースVRとゲーミフィケーションが切り拓く新展開
株式会社ダイナモアミューズメント代表取締役社長の小川直樹氏は、ロケーションベースVR事業の実績と具体的な活用事例を紹介。施設型エンタテインメントとしてのVRは、単なる技術導入ではなく、体験設計や導線設計、運営ノウハウが成功の鍵を握ると説明した。また、株式会社セガ エックスディーのビジネスプロデューサー矢口岳史氏は、エンタテインメントの本質である「人の心を動かす力」に着目してゲーミフィケーションの考え方を解説。ゲームの仕組みや体験設計を他分野へ応用することで、教育やマーケティング、サービス設計など幅広い領域での活用が可能になるとした。
IP収益最大化の実装と制作現場の課題
AIデータ社取締役CTOの志田大輔は、AI ContentsPro on IDXを活用したIP収益最大化の実践モデルを解説。制作効率化、ライセンス収益の最大化、IPデータの統合管理を実現することで、部分最適と全体最適を同時に達成する仕組みを提示した。一方、株式会社ディー・エル・イー代表取締役社長CEOの小野亮氏は、アニメ制作の現場におけるAI活用について独自の視点を提示。クリエイティブの中核である表現や演出では人の感性が不可欠であるとし、制作プロセスや周辺業務における効率化にはAI活用の余地があるとしながらも、適用領域を見極める重要性を強調した。
実務視点からのIP戦略と今後の方向性
株式会社講談社ライツ・メディアビジネス本部IPビジネス部副部長の岩切秀一氏は、マンガIPのビジネス展開について実務視点から現状と課題を解説。国内外でのライセンス展開やメディアミックス戦略を通じてIP価値を拡張する取り組みを紹介するとともに、生成AIの進展がIPビジネスに与える影響にも言及した。アフタートークでは登壇者が一堂に会し、コンテンツ産業におけるAI活用、IP戦略、収益モデルについて多角的な議論が行われ、業界全体の課題と可能性が浮き彫りとなった。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000679.000040956.html