トライバリズムが差別と分断を生む 進化人類学者が警告する集団本能の病理


進化不適応が現代社会をむしばむ
人間は血縁を超える集団を形成することで生き残ってきた。しかし、集団の規模が拡大し、世界規模で異なる集団が接近するようになった現在、集団の一員でありたいという本能は、その排他性により差別と分断の根源となっている。環境に適応する過程で得た形質が、環境の変化によってマイナスに働く現象を「進化不適応」という。まさに人類は「進化のミスマッチ」に直面しているのである。
トライバリズムとは何か
トライバリズムは、人類が30万年前から今日まで生存戦略として進化させてきた集団本能である。小規模な社会では、この本能は協調や相互扶助をもたらす有用な機能を果たしていた。ところが現代のように集団が巨大化し、さらに異なる集団が地球規模で衝突する環境では、この同じ本能が排他的行動や信頼の喪失をもたらす。トランプ現象をはじめ、世界各地で台頭するポピュリズムやナショナリズムは、この集団本能の暴走した形である。
世界が注目する研究者の最新著書
トロント大学ミシサガ校の進化人類学准教授デイヴィッド・サムソンは、睡眠と人類進化の関連性を研究してきた。その成果はタイム誌やナショナル・ジオグラフィック誌、BBC、NPRなど世界中のメディアで取り上げられている。このたび新潮社から4月15日に刊行される『分断と排除の人類史――暴走するトライバリズム』は、サムソンが最新の研究成果を駆使して、集団本能の病理の解明と克服に挑んだ一冊である。
集団本能の病理を克服するために
本書は単なる問題提起にとどまらず、21世紀における対策を示している。第2部では「トライバリズムの実践」と題し、メタ・ファミリーの構築やキャンプ構築のガイドを提示。最終章では「トライバリズムが世界を救う」とし、課題克服への道筋を示唆している。定価は4,180円(税込)、ISBN978-4-10-507471-5。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002818.000047877.html