1回目と2回目の「差」があなただけの感想になる Part2|受賞するための読書感想文5大メソッド


「?」が「!」に変わった場面が感想文になる
1回目に「?」をつけた場所が、2回目に「!」に変わっていたとき、その変化が感想文に書くべきことです。疑問が発見に変わった瞬間、そこにあなただけの言葉が生まれます。
1回目を読んだ多くの人は、終盤のカムパネルラの死の知らせに最も強く引っかかります。
旅がすべて夢だったこと、その間にカムパネルラはすでにこの世を去っていたこと。その衝撃が大きすぎて、旅の途中の細かい言葉は記憶から薄れてしまいます。
しかし数日後に読み返したとき、別のセリフで手が止まります。旅の終盤、カムパネルラが涙をこらえながら言った言葉です。
「誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸なんだねえ。だから、おっかさんは、ぼくをゆるして下さると思う。」
(『銀河鉄道の夜』宮沢賢治)
1回目はそのまま流してしまったセリフです。しかし2回目に読んだとき、この言葉の重さがまったく違って見えます。カムパネルラはここで、ザネリを救って自分が死んだことをすでに知っていた。「ほんとうにいいことをした」は自分の行動への言葉であり、「ゆるして下さると思う」はお母さんへの最後のメッセージだったのだと。
「?」が「!」に変わったのはなぜか。
この疑問を自分に向けて、自分の体験と結び付けていきます。友人に声をかけられなかった記憶があるなら、「迷わず飛び込めたカムパネルラ」という存在が刺さるかもしれません。「自分は、誰かのために迷わず動ける人間だろうか」。そういう問いが、あなたにしか書けない感想文の核になります。

鉛筆、赤ペン、メモ帳があればいい
では、実際のメモの方法を見ていきましょう。といっても、まったく難しくありません。
必要なのは鉛筆、赤ペン、メモ帳だけです。
メモ帳の代わりに本に書き込んでもOKです。書き込む場所がメモ帳から本の余白に変わるだけなので、本質的な違いは何もありません。
1回目の読み方 「?」を探しながら読む
鉛筆を手に持って読みます。感動した場面にマークするのではなく、「意味が分からない」「なぜここでこの行動をとったのか」「この言葉はどういうことだろう」と思った場所に「?」をつけていきます。意外だと思ったら「!」、納得できなければ「×」をつけてもOKですが、主役は「?」です。
- 「?」……なぜかわからない、気になった場面や言葉
- 「!」……意外だった、予想と違った展開や行動
- 「×」……納得できない、違和感がある台詞や選択
本に書き込む場合は、引っかかった場所の余白に記号を書き込みます。メモ帳の場合は「p.84/2行目 ?なぜここで涙を流したのか」「p.112/5行目 ! なぜ迷わず飛び込めたのか」のように、ページ数と記号、ひとことを書き留めていきます。感動した場面にマークしてはいけない、ということではありません。ただ、「?」「!」「×」を意識することで、自分の感情を言葉にしながら読んでいきましょう。
1回目を読み終えた直後
読み終えた後に、「この本で一番大きかった?はどこか」ということを書き留めておきます。場面と、なぜ疑問に思ったかを一言添えるだけで十分です。たとえばこんなメモになります。
カムパネルラが「おっかさんは、僕を許してくださるだろうか」といった場面?――なぜお母さんに「ゆるして」というのか意味が分からなかった。
このメモが、2回目を読むときの指針になります。自分がわかればよいです。ポイントはうまく書こうとしないこと。メモとして頭に浮かんだことをどんどん書いていきましょう。
2回目の読み方 「?」が「!」に変わる場所を探す
1回目のメモを手元に置いて読み始めます。
「?」を付けた場所が近づいてきたら、あらすじも含めて、特に意識して読んでいきましょう。結末を知ったうえで読み返すと、1回目には意味が分からなかったセリフや行動が、突然「そういうことだったのか」と腑に落ちることがあります。
「?」が「!」に変わった場面に、赤ペンでメモをします。1回目のメモに「⇒!」と書き加えて、その気づきをメモしておきましょう。
2回目を読み終えた後
「?」が「!」に変わった場所を見返します。そこが感想文に書くべき場面です。
次の問いを自分に向けてみてください。「なぜ1回目はわからなかったのに、2回目はわかったのか。」
その気づきが出てきたら、今度は自分の経験に重ねてみましょう。
「この発見は、自分のどんな経験と似ているか」「自分がこれを理解できたのは、どんな記憶があるからか」と考えてみる。本の言葉から出発して、自分の話へとかぶせていく。この作業が感想文の「自分にしか書けない部分」を作ります。
2回目の読書で気づきを得よう!
「?」が「!」に変わる場所は、読む人によって違います。同じ本を読んでも、どこで止まるかは人それぞれです。
だから感想文は、誰かと同じになりません。まず1回読んで、もう1回読む。それだけのことで、あなたにしか書けない文章が生まれます。
