短歌で出会う、運命の人。「ヒュー!日向 マッチング短歌」
宮崎県日向市では「ヒュー!日向 マッチング短歌」を開催。短歌と、応募者の短歌に対する返歌を募集します。締切は2022年12月27日。ベストカップル賞に選ばれたペアの作者は、日向市で行われる特別交流会に優先的に招待されます。
これまでになかった公募に胸が高鳴りますね! そもそも、「短歌でマッチングする」とは、どういうことなのでしょうか? 一見、現代的に思える「マッチング」ですが、実は短歌の歴史にも深く関わっています。
あなたの短歌に誰かが応えてくれる
平安時代から、短歌は和歌という形で存在し、送りあう文化がありました。ときには自己紹介として、近況報告として、恋文として。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも、源実朝が北条泰時に淡い恋心を込めた短歌を渡し、返歌を求めていたシーンが話題になりました。
本公募の特設サイトから短歌を投稿すると、無記名で作品が表示されます。その短歌を見て、誰かが返事の短歌を投稿してくれたらマッチング成立です。すでに誰かが投稿した短歌に対して、返事の短歌を書くこともできます。自分の短歌に魅力を感じた誰かが、返歌を投稿してくれるかも……そう考えるだけでもドキドキ!
なお、本公募への応募にはTwitterアカウントが必要です。140字以内でメッセージを自由に投稿できるTwitterは、最も短歌作品を目にするSNSです。アカウントがない方はこの機会に作ってみてはいかがでしょうか。
日向市のイベントでご対面!
主催の日向市は、歌人・若山牧水の生まれ故郷。高校生を対象とした短歌甲子園を開催するなど、幅広い世代にむけて短歌の魅力を発信し、地域おこしをしています。「思わず一首詠みたくなるような豊かな自然や素朴な景色、人のあたたかさにきっと出会うことができるでしょう」と主催者も語ります。
本公募でマッチングが成立した作品のうち、5組10名が日向市で開催される特別交流会に無料招待される予定です。招待は、ベストカップル賞への入選者から優先的に行うとのこと。もしかしたらマッチングした相手に会えるかもしれません。言葉のセンスの合う友達や共通の趣味を持つ人など、人生を変えるようなよい出会いになりそうですね。日向市が主催するイベントなので安心感もありますね。
選者は、全短歌集を刊行されたばかりの枡野浩一さんと、人気漫画『ちはやふる』に短歌を提供している天野慶さんです。新しい短歌の境地を切り開く歌人のおふたりが審査にあたります。
短歌のルールは57577だけ
これまで短歌を詠んだことがなかった人もご安心ください。特設サイトには、短歌の作り方や、音数の数え方も掲載されています。短歌には難しい決まりはなく、季語も不要です。現代の言葉づかいでOK! 実際に、投稿されている短歌と返歌をご紹介しましょう。
続編が決して作られないようにエンドロールはひとりで歩く(返歌)ちらほらと挿話に出てもいいのならあってもいいよ君の続編
(返歌)それぞれのエンドロールを歩むけど君を想えばハッピーエンド
(出典:「ヒュー!日向 マッチング短歌」https://www.phew-hyuga.jp/tanka/matching/)
1首の短歌に返歌が2首。これは見逃せない展開です。元の短歌も返歌も、切なさも明るさもあり、グッときますね。
まったく新しいスタイルの短歌公募。今、短歌ラバーのなかでは話題沸騰中です。人を引き合わせる言葉のチカラ・短歌のチカラを信じて参加してみませんか。運命を感じたい方は、ぜひチャレンジを!
芦田みどり
公募情報ライター。最近は各地を盛り上げるご当地公募から目が離せない。好物はネギトロ。公募ガイド公式Instagramでも執筆中。
出典:https://www.hyugacity.jp/display.php?cont=221104104659
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