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入選常連・塩田友美子さんの気ままに公募ママ「それってなに」

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作文・エッセイ
公募ママ

公募歴6年、入選回数は200以上。驚異の入選確率を誇る塩田友美子さんには、どんな秘密があるのだろう。読めば自分も入選できる!?

「ありのままの自分」なんて言葉、よく耳にしますよね。

特に個性重視の現代では、本来の自分を大切にしようという傾向があります。

でも逆に「今のままの自分では対応できない!」と思う瞬間もありませんか。

特に、環境がガラッと変わった時。

引っ越して知らない場所に住むだとか、転職した時「これが本当の私なのでよろしくねー!」では通用しないことってありますよね。

そんな、ちょっと頑張って自分を変えていくタイミングは人生で度々訪れます。

私も環境が変わり、最近様々な特性の人と出会いましたが、特に変わったのが言葉遣いへの意識。

これまでの自分の話し方を見つめ直すきっかけとなりました。

例えば「ちょっと待ってね」という言葉を使ったとすると、人によっては「ちょっとってあと何分?」なんて悪気なく聞き返されます。

「またやろう」なら「またっていつ?」

「そこに置いて」なら「そこってどこ?」

この一つ一つに答えるのは思いのほか大変。

私ってこんなに適当に話していたのか!?と驚くほど。

日常生活で、私たちはアレやコレ、そうじゃなくて!なんて曖昧な言葉をよく使いますよね。

優柔不断な私は特に「そんな感じで」とか、「多分そう」なんて表現が多い。

この年齢になって初めて「誰にでもわかる表現とは?」を考えるようになりました。

例えば「コップをちゃんと持ってね」なんて大人はこどもによく言いがちですよね。

この「ちゃんと」という言葉は便利に見えて、漠然の頂点みたいなもの。

本人にとっては「ちゃんとやってるよ!」と思っているかもしれない。

これを「両手でコップを持とうね」という表現に変えると、結果的にちゃんと持ってくれると最近気づきました。

そんな意識をし始めると「きっと伝わるだろう」と決めつけて会話をしていることが、無数にあることに気づきます。

もちろん、文章を書くときには、語りすぎては粋ではなくなることや、抽象的な美しさもありますよね。

それでも、だれが読んでも同じ意味で受け取れる文章力をつけるには、まず日常会話を面倒くさがらないことが肝心かもしれません。

「つまりそれはどういうこと?」

という鋭い突っ込み役が隣に座っていることを仮定して、文章を書いてみるのはどうでしょう。自分の文章にある隙が少し減るかもしれません。

でも多分それをちゃんとやるってとても苦しい作業となるんだろうなあきっと。

なんて、あれこれそれこれ考えている私です。