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オリーブの島へ贈る、あなたのやさしい物語「第20回二十四の瞳岬文壇エッセー募集」

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作文・エッセイ
公募ニュース

作家・壺井栄のふるさと、香川県小豆島。ここに、映画『二十四の瞳』(高峰秀子主演)の舞台となった岬の分教場があります。その保存会が、エッセーを募集。「同級生」「料理」「挑戦」からテーマを1つ選び、400字詰原稿用紙3.5~4枚の作品にしましょう。締切は2022年11月30日。最優秀賞には賞金20万円、優秀賞には賞金5万円が贈呈されます。

伝えていきたい、昭和の名作

二十四の瞳映画村のほど近くにある、岬の分教場。苗羽小学校田浦分校として実際に使われていた建物で、机やオルガンなどが当時のまま残されています。映画のロケ地になったことで一躍有名になり、今も多くのファンが訪れるそうです。小説が発表されたのは昭和27年。映画だけでなく、ドラマ化も繰り返され、なんと2022年夏には新たなドラマが放映されるとのことです。まさに時代を超えて愛される不朽の名作。その人気の秘密は、一体どこにあるのでしょう。

「母性の文学」「慈悲の文学」と言われる壺井栄の作品。『二十四の瞳』も、大石先生と12人の教え子との愛情あふれる物語です。けれどそこに見え隠れするのは、戦争や貧困・差別・弾圧など、現代にも通じる問題。そんな暗い現実を、小豆島の穏やかな情景や、ユーモアを忘れない壺井栄独特の文体が、やわらかくほぐしてくれているように感じられます。日常を大切に思い、現実と真摯に向き合う姿。そこから勇気と感動を与えられる点が、ずっと読み継がれている理由の1つなのかもしれません。

あなたの日常にきっとある、名作のタネ

本公募のテーマは、毎回3つ出題されます。前回は「バス」「ニュース」「希望」から「バス」を選んだ「循環バスでの小旅行」が最優秀賞を受賞しました。市内の循環バスに毎日乗るおじいちゃんと運転手さんの、心あたたまるストーリー。『二十四の瞳』のなかにも、大石先生が、徴兵検査に来た教え子たちと出くわす、印象的なバス停のシーンがありました。

選考委員の作家・あさのあつこ氏は選評のなかで

「どの作品も読み終えて、心が満たされていくのを感じました。作者の日常が、想いが、感覚が鮮やかに迫ってくる作品ばかり。(中略)『循環バスでの小旅行』を選んだのは、作品世界の鮮やかさ故です。ノンフィクションというより、O・ヘンリーの短編を読んだ後のような感動を覚えました。」

(出典:第20回二十四の瞳岬文壇エッセー募集「前回の選考結果を見る」https://www.24hitomi.or.jp/essay/kekka_19html

と綴っています。自分が体験した出来事や思いを書き連ねるだけでなく、そこに物語性をプラスして、読者の心に残る作品にしたいですね。

今回のテーマは、「同級生」「料理」「挑戦」。これらキーワードからは、子どもたちがケガをした大石先生に会いに行く場面を思い出します。みんなで長い道のりをがんばって歩き、ようやく会えた先生の家でご馳走になったきつねうどん。情景が鮮やかに目に浮かび、うどんの香りもふんわりと漂ってくるようでした。

大事件ではないけれど、一人ひとりの心にずっと残っている出来事。あなたにもあるのではないでしょうか。その体験を、『二十四の瞳』のワンシーンと重なってみえる、心に響くエッセイにして、オリーブの香りあふれる瀬戸内の島へ届けてください。

 

第20回二十四の瞳岬文壇エッセー募集

●賞:最優秀賞1編=20万円

●締切:2022年11月30日(水)

さんたろう

フリーランスの図書館司書&ライター。旅が好き。今年の目標はカヌーデビューと、同居中のうさぎさんに天然サラダバーをプレゼントすること。

出典:https://www.24hitomi.or.jp/essay/essay.html

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