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超・戦略的! 作家デビューマニュアル 第2回

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イガラシ・メソッド 「長編新人賞を獲って作家になる」イガラシ・メソッド  「狙うべき新人賞を間違えるな!」

作家になれるのは一握りの天才だけ。自分には無理かもしれない……。

新人賞にずっと応募してきたけど、箸にも棒にも掛からない。もうダメかも……。

 

そんなあなたに伝えたいのは、作家になるための正しい方法論があるということ。

方向も方法も知らずに進んでいれば、時間も労力も無駄になります。不安だって募ります。

 

ベストセラー作家・五十嵐貴久さんの『超・戦略的!作家デビューマニュアル』(PHP新書)より、効率よく、最短距離で作家になれる「作家になるための正しい方法論=イガラシ・メソッド」をご紹介します。

 

作家になるための代表的な方法が5つあります。

 

1 自費出版

2 小説投稿サイトで人気を得て出版

3 コネ

4 持ち込み

5 新人賞を獲る

 

この中でもっとも正攻法で、もっとも効率的なのが、5の新人賞を獲る方法です。新人賞で落選すると、つい自費出版や持ち込みに走りたくなるのですが、本を出し、それを全国の書店に流通させたいと思うなら、新人賞を獲ることをお勧めします。

 

最近は小説投稿サイトも注目されていますが、新人賞とは比較にならないくらい多くの作品が集まっていて、その中で人気を得て出版社の目に留まるというのは、奇跡に近い。

 

新人賞であれば、担当編集者がつき、受賞作が出版されます。「〇〇新人賞受賞作!」という宣伝とともに、書店の比較的良い棚に置いてもらえます。作家になりたいなら新人賞を獲りましょう。

 

では、どんな新人賞を狙えばよいのでしょうか? 新人賞の数は軽く100を超えています。選ぶポイントはあるのでしょうか?

 

ここがイガラシ・メソッドの最初のポイント。新人賞には種類があります。主催者、小説の長さ、ジャンルという観点でみていきましょう。

 

新人賞を主催しているのは出版社だけではありません。地域振興を目的に自治体が主催したり、文化貢献として企業が実施したりもしています。ここで狙うべきはもちろん、出版社が主催している新人賞です。受賞作が書籍化され、全国の書店に並べられるのは出版社系だけだからです。

 

この出版社が主催する新人賞を、さらに短編と長編で分けてみましょう。短編は400字詰原稿用紙50枚~100枚程度。長編は350枚~500枚前後。短編なら書けるかもしれない、と思って短編に応募する人が多いのですが、作家になることが目的なら迷わず長編を狙いましょう。短編で受賞しても、その1作だけでは書籍化できないからです。受賞してから本を出すまでに長く苦しい時間を過ごす作家もたくさんいます。

 

では、長編のどんなジャンルを狙えばよいのか。イガラシ・メソッドでは、ミステリーが有利だといいます。ミステリー系の小説を募集している新人賞が最も多いからです。それはつまり、狙っていた賞に間に合わなかったとしても、少し手直しをすれば別の賞に応募できるということ。チャンスが多ければそれだけ、作家になれる確率が上がるのです。

 

まとめると、イガラシ・メソッドにおいて狙うべき新人賞は、

 

出版社が主催する長編新人賞。

ジャンルはミステリーが有利。

 

ということです。ざっくり方向性が見えてきました。

次回は、狙うべき新人賞を具体的に決定する方法をご紹介します。

 

五十嵐貴久(いがらし・たかひさ)

小説家。1961 年東京生まれ。出版社勤務を経て、2001 年『TVJ』でサントリーミステリー大賞優秀作品賞、『リカ』で第2 回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌年デビュー。警察小説、時代小説、青春小説、家族小説など幅広い作風で映像化も多数。著書に『1985 年の奇跡』『交渉人』シリーズ、『パパとムスメの7 日間』『相棒』など。

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