実は、あなたも本が出せる⑧:採用される企画書を作ろう!


企画書を書く前に
- 企画書を書くときは、企画の内容以前に、書式(文字の大きさ、フォント、字間、行間など)に注意。こうでなければいけないというのもないが、なぜこんな珍妙な書式にするのかと思われては損。
- 余白は適正に。1枚ものでもノンブル(ページ番号)を忘れずに。
- 色は、重要なところに適度に使うと目がいく。目がちかちかするような色使いは厳禁。
- 文章は正しく、的確に要約する。平気で変な日本語を使えば、その程度の筆力しかないと思われる。だらだら書けば要約力が問われる。短すぎて内容が十分に伝わらないのもよくない。
- インパクトがあって、面白そう、今までにない、ありそうでなかったと思われたいが、やりすぎて、企画書の内容と原稿の内容が乖離しないように。
- 企画書を見る人は最初のほうだけざっと読んで、あとは読まないことが多い。重要なことを出し惜しみせず、大事なことは先に。
- 自分が書きたいことを、他人が読んでも面白いように切り口を考える。本を作る人、本を売る人の視点でも考えてみる。
企画書に書く項目
タイトル
タイトルは本の顔。内容が端的にわかり、それ自体に訴求力、宣伝力があるといい。あえて長いタイトルにする場合もあるが、だらだら長いと刺さらない。寸鉄人を殺す。書店で買うかどうかはタイトルで決まる!
サブタイトル
サブタイトルはタイトルの補足説明、または具体的な内容。タイトルにインパクトを持たせた分、内容を表示していないタイトルの場合は、それを補足する。
キャッチコピー
その本の売りを短い言葉で表したもの。見る人の興味をひくもの、あっと驚かせるものなど。いろいろな角度からたくさん作って1つ選ぶ。キャッチコピーはそのまま本の帯になる言葉! キャッチーに!
本の内容(章立て)
最初にジャンルを明確にする。実用書かビジネス書か、写真集か、文芸書かなど。実用書であれば、さらにどのような分野の実用書なのかを説明する。章立てされた内容を見て中身が見えるように書く。
著者プロフィール
著者名と略歴を書く。加えて、この本が書ける理由(経歴、実績)を書く。著書、専門知識、固有の体験など売り込めるものはなんでも書く。ここで著者の面白さを打ち出す。面白い人だと思われればそれだけで注文が来る!
企画意図
この本を企画した理由を、誰が読んでもわかるように書く。別の解釈をされないように書く。自分が書きたい理由ではなく、売れる理由を書く。
企画背景
出版物にとってタイミングは生命線。今なぜこの本が求められているのか、時代性、社会的状況、流行、世の中の動き、ニーズなどを説明する。
読者ターゲット
この本を買う層を想定する。対象となる年齢、性別は? 職業、嗜好は? を考える。すべての人をターゲットにしようとすると、コンセプトがぼやけ、売る戦略も立たない。
類書
どこか類似した本、共通項のある本、ターゲットがかぶる本は必ずある。類書はタイトルだけでなく、著者名、出版社、発売年も書く。
セールスポイント
「類書はみな○○だが、本書はここが違う」「いくつかの既存の類書は同じことについて違う言い方をしただけだが、本書は切り口が違う」など、企画案のセールスポイントを明確に!
その他注意事項
想定している判型、ページ数、完成原稿はあるか、いつ完成予定か、販促に協力してくれる人がいる、ツィッターのフォロワーが10万人いるなど売りになることを書く。
※本記事は「公募ガイド2017年7月号」の記事を再掲載したものです。