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文学賞特集④:ライトノベル戦国時代

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一冊あたりの販売部数が、二桁万部は当たり前。しかもそれがシリーズで……。
そう、昨今はまさに「ライトノベルの戦国時代」。
一般文芸を超える隆盛期を迎えているラノベの世界では、現在、当然の結果として「新しい書き手」が求められています。
こんなチャンスに乗ってみませんか ?

ラノベ新人賞応募の前に読む! ライトノベルを書いてみよう

最大の隆盛期を迎えているライトノベル

いまはまさに「ライトノベル隆盛期」なのだという。ご他聞に漏れず「不況」の二文字に踊らされ続けている出版界にあって、このジャンルの販売金額は2000年代に入ってからずっと、右肩上がりを続けているのだとか。
ジャンルのコアターゲットは中高生といわれているライトノベルだが、最近は30代にまで読者層を広げている。小中学校でゲームやアニメと出会い、その流れでライトノベルにハマったラノベ読者の第一世代が、今はもう30歳を超えてきているということだ。
なぜここまで、ライトノベルが受け入れられるのか?
ほとんどの判型が文庫版であるため比較的廉価であること、コミック化やアニメ化などのメディアミックスが盛んに行われているため、若年層がその世界に没入しやすいこと、「絵のないマンガ(文字で書いたマンガ)」として、特にゲーム世代が受け入れやすかったことなど、理由は様々挙げられる。
だが実際のところは、現在までこのジャンルを牽引してきた先駆者たる各レーベルの徹底したマーケティングと、時代に即した様々なメディアでのパブリシティの勝利といえるのかもしれない。
これだけジャンルが盛り上がってくると当然の結果として、数多くの「新しい」作品と書き手が必要になってくる。現在は、年間で30を超えるライトノベル系の新人賞が開催されているが、それでもまだまだ、業界は書き手不足。新人賞を主催する編集部では、膨大な数の応募作の中から、休む間もなく宝探しを続けている。
最終選考まで残らずとも、山の中から一人の編集者に見いだされてデビューし、売れっ子作家になったという例も枚挙にいとまがない。このジャンルでは、「一夜明けたらスター」もそれほど遠い夢ではないということだ。

ライトノベルっていったい何なんだ

そんなラノベ新人賞の公募では、「どうしてこの人、ウチの賞に応募してきちゃったんだろう?」と編集マンが頭をひねってしまう作品も少なくないという。ジャンル自体の歴史が浅いので、「こういうものがライトノベルである」という定義は明確にはなされておらず、どう読んでも純文学や大人向けのミステリーに読めてしまう作品、いわゆる一般の小説が応募作に紛れ込んでしまうことが少なくないようだ。
では、「こういうものがライトノベルである」とはどんなものか?
これは大いなる難問である。一般的には、

  • その傾向の作品を専門に刊行しているレーベルから刊行されている作品
  • アニメ調のイラストが表紙や挿絵として多数使用されている小説
  • キャラクターを最優先して物語が作られている小説
  • 読者層を中高生に絞った、一冊で完結しないシリーズものの作品
  • ゲームやOVAに共通した世界観を持つ作品

などがジャンルの特徴として上げられているが、近年の作品はこれらの特徴がさらに細分化して広がっており、もはやジャンルを定義することは不可能に近い。
前述の特徴の中で、最も重要視すべきは、やはり読者が若年層であること。
実際、ライトノベルの書籍を手に取ってみればわかる通り、中高生の読者が読み疲れしないように、目に馴染んだアニメ調のイラストが1ページを使ってふんだんに盛り込まれているし、キャラクターが前面に押し出されているのも、そうすることでゲーム世代が慣れ親しんだ世界に没頭できるため。
つまり総じて言えるのは、コアターゲットである中高生が入ってきやすい、読みやすいエンターテインメント小説こそ、ライトノベルの本筋なのではないだろうか。
近年のライトノベルは、主力たるファンタジーものから、美少女恋愛もの、時代青春もの、宇宙戦記ものまで、とにかく幅広い。まずは自分の好みに近いものから一冊手に取り、「ライトノベルの雰囲気」を感じ取ってから新人賞に応募することをお勧めする。

 

※本記事は「公募ガイド2011年7月号」の記事を再掲載したものです。

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