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【地図井式】文フリ出店から完売まで|個人作家が在庫を売り切る方法

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コラム

文学フリマ東京40」からほぼ2か月が経過し、少し熱を増した公募生活を送っています。
初めてのアフター文フリで変わったことと言えば、在庫を売り切る活動をしたことで、自分の作品の商品価値に向き合ったことです。そして先日、作ったすべての本が私の手元から去りました。ありがとうございました!!

わたしの本が売れるまで

文学フリマは今回約5000出店、来場者数1万人超の大型イベントとなり、これほど多くの作家や読者たちが一堂に会していることに圧倒されました。書いている人が多くいて、読んでいる人もたくさんいることはSNSの数字で見て知ってはいたものの、実際のひといきれ、一つ所に向かう人波にのまれながら感じる実際の人間の数は言い知れぬ迫力がありました。

人混みは苦手でも得意でもないと思っていた私ですが、その中から知り合いを見つけたとき、まるでその人が地獄で会った女神みたく輝いて見え、とてもほっとしました。

それで気づいたのは、正直言うととてもビビっていました。ひとりでここに出店する勇気はまるでなく、仲間を募れるほど同好の友達もいなく、公募ガイドの傘下というなんとなく安心風なゆるいつながりを得てビクビクもぐりこんだのが本当のところです。

でも、実際書いている以上、単に読者として訪問するのも何となくいやで、やっぱりブースを出す参加者としていたいという思いがありました。自分のための落選供養で選んだ文フリでしたが、私はここでもうまく立ち回れずなにかから落選するのではないか、そんな風に多少の不安を抱えていました。

自分たちの該当するブースに向かう途上で、多種多様なブースがありました。熱量の投下量も特に決まっていないので、卓上に販売用の本を数冊しか置いていない(人もいない)ところもあれば、ブース装飾にこだわって呼び込みなどの営業工夫をしているブースまで様々でした。SNSなどの事前誘客がうまくいっているところはブースは簡素でも行列があったり、特定の分野では出店者どうしの繋がりも深く、相互に買い合うような交流会の場のような活気がありました。それぞれの目的を包括するこの空間の懐の広さが参加人数増の要因だろうと思います。自分の販売ブースの準備は人数もいたので一瞬で終わり、空き時間が多かったので私は場内をぶらぶらし、見終わることができないくらいの数のブースを回り購入者として楽しみました。

販売者としてどうだったかというと、当日のブースで私が売った本は僅少でした。そしてこれを書く今、たった30冊の本ですが、在庫は完売しました。なぜならあれから2か月で、私は文フリの魔力と魅力に押され能動的に売ったからです。当日に売れようが、後日売れようが、自分で売ろうが、自然に売れようが、刷った分をはいたのでこれは完売といえます。工夫しました。当日売れなかったので、頑張って売りました。