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他の公募に応募した作品はNG問題 ~なぜ二重投稿は不可か

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ここ数年、「他の公募に応募した作品は不可」といった応募規定が増えてきた。 「二重投稿は不可」については以前からある規定だが、これに加え、「他の公募に……」とまで厳しく制限するようになったのはなぜ?
この規定が盛り込まれるようになったきっかけと背景について調べてみた。

なぜ「二重投稿」は不可なのか

「二重投稿」とは、同時、または同時期に同じ作品を複数の公募に応募することをいう。
なぜこれが禁じられているか。
二つの公募で同じ作品が受賞してしまったら、どちらかの賞は受賞を辞退することになる。 となると、辞退された主催者は募集にかけた労力と予算が無駄になってしまい、それでは困る。
かと言って両方受賞では著作権の問題も発生するし、同じ作品が受賞作では賞としての独自性も失われる。
ということで、慣例的に「二重投稿は不可」と規定されているのだ。

では、一度応募し、その後、落選が決定した作品はどうだろう。
落選作品はもう受賞の可能性がないわけだから、この作品をそのまま別の公募に再応募しても、新たに応募する公募の応募要項でそれが禁じられていなければ、著作権の面での問題はない。

とは言え、一度、「だめ」と言われた作品なのだから、なんらかの欠陥があると思い、見直すなり、一から書き直すなりするのが望ましいが、しかし、手直しするかしないかは一応、応募者の自由でもある。

二重でなくても再応募は問題あり

ただ、落選したことを誰も知らないのならいいが、選考でいいところまで行っていると、それを知った人たちがいろいろと言ったりする。

たとえば、A社の文学賞で最終候補まで行った作品を、改稿せずにB社の文学賞に送り、それが受賞した場合を考えてみよう。 これを知った人には、以下の二つの感想が考えられる。

A社で落ちたものがB社で受賞
(A社の選考委員は見る目がないな)
A社で落ちたものがB社で受賞
(B社の文学賞はレベルが低いな)

結局、A社にとってもB社にとってもいいことはない。
それに、同じ文芸誌とはいえ、A誌とB誌は同じではないし、編集方針も掲載作品も違うだろうから、「二股?」という気持ち(あくまでも気持ちの問題だが)もあるだろう。 その意味でも、落選した作品をそのまま再応募するというのは、(規定違反ではないとしても)お勧めはできない。

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