モニター完全ガイド1:モニター事始め
モニターとは何? どんな仕事なの? 私でもできるの?
モニターという言葉は聞いたことがあるが、どんなものかわからないという向きに、まずは概要を解説しよう。
コロナの影響でニーズが拡大
モニターは本来、監視という意味だが、ここで言うモニターは、意見や感想を述べること、または述べる人を指す。
モニターは誰でもでき、特にアンケートモニターの依頼には好きなときに好きなように答えられ、しかも報酬も得られるので隙間時間を生かして稼ぎたい人に人気だが、そこにきて新型コロナウイルスの影響で在宅の時間が増えた。
そこでますますモニターが人気となった。特に登録モニターはすぐに結果が出るので、暇をつぶしたい、対価も得たいという人には打ってつけだ。
利点
資格もいらず、特別な技術もいらず、誰でもどんな年齢でも始められる。手軽におこづかい稼ぎができる。
欠点
やり方にもよるが、大金は得られない。モニターだけで生活するのも難しい。あくまでも手堅い副収入。
何をするの?
やることは、1.アンケート回答、2.レポート提出、3.会議出席。アンケートのみのものもあるが、謝礼は少なめ。
どんな人がするの?
基本的には誰でもできるが、働きたいのに働けない人が多い。隙間時間を生かし、自由に働きたい人も多い。
稼げるの?
日銭は稼げる。真面目にやっていると、一般募集されていない特別なモニターに選ばれることがあり、さらに稼げる。
モニターの様々なタイプ
登録モニター
市場調査(マーケティング・リサーチ)会社がモニターサイトを通じて募集。登録すると毎日のようにアンケートが来て、回答するとポイントが貯まり、換金もできる。別名アンケートモニター。
商品モニター
商品を試し、意見や感想を述べる。試した商品はもらえる。一般公募される場合もあるが(その際は抽選で選ばれることも)、登録モニターにだけ公募されることもある。別名サンプリング。
企業モニター
商品やサービスについて意見や感想を述べる。メーカーの場合、やることは商品モニターと同じだが、単発ではなく一定期間モニターする。企業モニターも登録モニターであることが多い。
読者モニター
新聞モニターは紙面への意見、感想を述べる。雑誌モニターは意見募集と参加者募集の面があり、女性誌、育児誌に多い。書籍モニターは発売前、発売直後の書籍の感想を述べる。件数は少ない。
放送モニター
テレビ、ラジオの放送を視聴(聴取)し、意見、感想を述べる。番組は指定される場合と任意の場合とがある。任期中、何回かモニター会議がある。一般公募のことが多いが、人気が高く高倍率。
行政モニター
行政や消費生活のアンケートに回答したり、法定違反の商品がないか、文字どおりモニター(監視)したりする。大半のモニターには会議がある。一般公募で募集されるが、最近は随時募集も多い。
求められる人材と採用のコツ
採用のポイント
登録モニター
登録制なので誰でも採用(登録)され、アンケートが送られてくる。真面目に丁寧に回答していると依頼がどんどん増えていく。
商品モニター
抽選と書かれていても、それは建前。ターゲット層でない人、回答しそうもない人は外す。応募時にはそのあたりをアピール!
企業モニター
一定期間モニターするので、その商品への愛着が不可欠。愛用者、潜在的な消費者であること、感想が言えることをアピール!
読者モニター
読者目線の意見を求める面と、誌面参加してくれる人材を求める面がある。いずれも熱心な愛読者であることをアピール!
放送モニター
他のモニターより書く量が多いので、依頼を十全にこなせること、視聴者の代表として番組制作に関わりたいことをアピール!
行政モニター
居住地や年齢が偏らないようにしたり、未経験者が優遇されたりするが、やる気のない人は選ばれない。志望理由を明確に!
こんな人を求めている
まじめな人
平気でウソをつく人、途中で投げ出す人、欲しいのは謝礼だけという賞金ゲッターは歓迎されないし、やらないほうがいい。
熱心な人
意見、感想は細かく、具体的で簡潔に書き、自分にはわからないときは家族や友人の反響を書くなど熱心な人が歓迎される。
意見が言える人
企業モニター、放送モニターなどは意見の優先順位が高い。鋭い意見を言ってくれるのなら、謝礼目当てでもOKという面も。
モニターQ&A
主催者はなんのためにやっているの?
登録モニターは市場調査のため、行政モニターは住民の意見や生活の実態を把握するため、その他のモニターは商品の感想を聞き、商品づくりにフィードバックするため。いずれも幅広く意見を吸い上げるためです。
なぜお金や対価がもらえるの?
アンケートモニターはアンケートに答えるだけでポイントがもらえ、換金も可能ですが、なぜ対価があるのかというと、市場調査を依頼したクライアントがいるから。調査料の一部が分配されると考えてください。
地域差はある?東京は有利?
放送モニターは放送エリアに住む人、行政モニターも対象地区の居住者であることが多いですが、ほかは居住地による差はありません。ただ、座談会、会場調査、覆面調査員(客として店に行き、様子を報告)などは都市部のほうが案件多めです。
危ない会社、悪徳商法はない?
かつては名簿集めの懸賞募集がよくありましたが、個人情報保護法ができてなくなりました。
ただ、本特集では扱っていませんが、あとでお金がかかる、教材を買わせるといったモニター商法もあります。儲かることを強調しているものにはご注意を。
得た謝礼は課税対象になる?
有職者(勤務先で主収入の年末調整をする人)は年間20万円以上の所得、無職の人は年間38万円以上の所得になると確定申告が必要です。所得は収入から経費を引いたもの。ポイントは現金、金券に換えなければ課税の対象にはなりません。
男性、高齢者でも採用される?
モニターの種類によりますが、応募者は概して30〜40代の女性が多い。逆に言うと、採用者のバランスを考慮するモニターは30〜40代の男性が有利かも。最近は高齢者向けの商品やサービスもたくさんあり、高齢者のモニター需要も高まっています。
※本記事は「公募ガイド2020年8月号」の記事を再掲載したものです。