冠文学賞を狙え! 獲って嬉しい、作家名を冠した文学賞まとめ!
顕彰する作家名を冠した文学賞を冠文学賞と言います。発表された小説を対象とする文学賞では、芥川龍之介賞(芥川賞)や直木三十五賞(直木賞)が有名ですね。
今年、市川市が永井荷風新人賞を創設すると発表しましたが、公募文学賞にも「冠文学賞」はたくさんあります。プロ作家の登竜門的な権威あるものから、初心者でも挑戦しやすいものまでさまざまです。
憧れの作家の名前がついた文学賞に挑戦するもよし、文学賞をきっかけに改めてその作家の作品を読むもよし。あなたも冠文学賞に挑戦して、作家の「魂」を継承してみませんか?
本記事では冠文学賞をご紹介しつつ、それぞれの作家についても解説します!
メロスは激怒した。キミは小説を書け。 太宰治賞
太宰治は生涯に5回以上自殺し、最後は山崎富栄と玉川上水で入水自殺したことで知られます。また、第2回芥川賞のとき、佐藤春夫に受賞を懇願する手紙を書いたことも。その小説は読む人の魂を震わせ、今なお“信者”が多い作家です。この太宰を顕彰して始まった太宰治賞は吉村昭や宮本輝を見出し、一時中断。三鷹市共催になったあとは津村記久子、今村夏子を発掘しています。規定枚数は400字詰原稿用紙50枚〜300枚。受賞作には100万円が贈られます。
伝統あるミステリーの登竜門 江戸川乱歩賞
江戸川乱歩は、大正12年「新青年」誌上に日本初の本格推理小説「二銭銅貨」を書いたミステリー作家の草分け。海外ミステリーにも詳しく、江戸川乱歩のペンネームは崇拝するエドガー・アラン・ポーをもじったもの。江戸川乱歩賞は自身の還暦祝いに寄付した100万円を基金として創設。第3回から公募になりました。以降、東野圭吾、桐野夏生、池井戸潤など大人気作家を輩出。社会派ミステリーの文学賞と言われています。受賞作は映像化の可能性も!
小説・シナリオ
第71回江戸川乱歩賞
日本推理作家協会が主催する伝統あるミステリーの登竜門、江戸川乱歩賞。西村京太郎さん、森村誠一さん、東野圭吾さん、桐野夏生さん、池井戸潤さん、薬丸岳さん、横関大さんとそうそうたるエンターテインメントの名手たちを送り出してきました。
記念すべき第70回の今年も350枚から550枚の広義の推理小説を募集します。正賞は江戸川乱歩像、副賞は賞金500万円。受賞作は講談社より単行本として刊行され、フジテレビによる映像化検討が約束されています。
さらに豊島区の協力による華やかな贈呈式も開催されます。未来のミステリー界をになう才能、お待ちしております!
2025年01月31日(金) 締切
賞金500万円
有名な2つの賞がひとつに! 横溝正史ミステリ&ホラー大賞
「横溝正史ミステリ大賞」と「日本ホラー小説大賞」が合併して誕生した本賞。エンターテインメント性にあふれたミステリー、またはホラーを募集。賞金は300万円! 横溝正史は大正時代に江戸川乱歩より先にデビュー。長編ミステリーの書き手として台頭し、特に1970年代の角川映画『八つ墓村』『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』などでブレイクしました。角川映画以降も、名探偵「金田一耕助シリーズ」はたびたび映画化やドラマ化もされています。
推理作家の卵たちが狙う賞 鮎川哲也賞
本格推理の賞。本格推理は、広義のミステリーの対義語で、謎解きプロパーのミステリー。1990年に本賞が創設された当時は、鮎川哲也自身も選考に加わっていました。短編から長編まで多彩な推理小説を執筆した鮎川は、推理小説の公募アンソロジー『本格推理』の編集長でもあり、公募で新人作家の発掘に力を注ぎました。ちなみに『本格推理8』からは東川篤哉がデビューしています。
とにかく楽しませろ、作家ならば。 大藪春彦新人賞
『蘇える金狼』『汚れた英雄』など、ハードボイルドなエンタメ小説の数々を生んだ大藪春彦。国家権力や組織の裏側、血に濡れたアクションなど、骨太なテーマと安定した文体は読む人の心を魅了して離しません。「大藪春彦先生がそうだったように、読者を楽しませることを第一に考えた娯楽作品、そして映像化原作を狙える熱い作品を求めます」と主催者。賞金は100万円!
小説・シナリオ
第8回大藪春彦新人賞
次世代のエンターテインメント小説界をリードする、強い意気込みに満ちた新人の誕生を、熱望しています。
2024年04月25日(木) 締切
正賞(賞状)、および副賞100万円
次のページ »
あの作家も「冠」に!
短編賞にも注目!
短編賞にも注目!